疲れが抜けないとき、特定の食べ物に効果を求めるより、食事の組み立てと睡眠のそれぞれを確認するほうが、手をつけられる部分が見つかります。厚生労働省の調査では、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上とっている人は男性45.7%・女性47.1%、睡眠で休養がとれている人は74.9%でした。この記事では、食事で整えられること、飲み物の考え方、あわせて確認しておくことを順にまとめます。
まず、食事の型がそろっているかを見る
厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」によると、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上とっている人の割合は次のとおりです。
| 主食・主菜・副菜を1日2回以上 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 総数(20歳以上) | 45.7% | 47.1% |
| 20歳代 | 27.8% | 28.6% |
| 70歳以上 | 61.5% | 60.6% |
半数以上の人は、そろっていない日のほうが多い状態です。とくに20歳代では3割を切ります。
細かい栄養素を数えるより、「主食・主菜・副菜がそろった食事が1日に何回あったか」を数えるほうが、実行も確認もしやすい形です。3食すべてを整えようとせず、1食だけ決めるところから始められます。
- 主食 … ごはん、パン、麺類
- 主菜 … 肉、魚、卵、大豆製品を使ったおかず
- 副菜 … 野菜、いも、海藻、きのこを使ったおかず
野菜は平均256.0g
同じ調査では、野菜の摂取量の平均値は256.0g(男性262.2g、女性250.6g)でした。この10年でみると男性は有意に減少し、女性も平成27年以降は有意に減っています。
年齢別では20歳代がもっとも少なく、男性230.9g・女性211.8gです。野菜の摂取量が350g以上の人の割合は男性25.2%・女性21.9%にとどまります。
いきなり倍にするのは難しいので、1食あたり1皿増やす、汁物に具を足す、といった単位で考えるほうが続きます。冷凍野菜やカット野菜でも、量としては同じように数えられます。生のまま食べる形にこだわると、量を増やすのが難しくなります。
食習慣を変える気になれないとき
同じ調査には、食習慣を改善する意思についての結果もあります。「野菜を十分に食べる」「果物を食べる」「食塩の摂取を控える」のいずれについても、男女とも「食習慣に問題はないため改善する必要はない」と答えた人がもっとも多くなっています。
さらに、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が週に1日もない人や週に1日の人では、「改善することに関心がない」「関心はあるが改善するつもりはない」「食習慣に問題はないため改善する必要はない」の合計が、男性で約8割、女性で6割を超えています。
そろっていない人ほど、変える気になっていないという形です。意識の問題として片づけるより、手間の少ない選択肢を持っておくほうが現実的かもしれません。総菜を1品足す、具の多い汁物にする、といった形なら調理の手数は増えません。
飲み物の考え方
飲み物で気をつけたいのは、量ではなく中身のほうです。
- 甘い飲料は食事とは別に数える(水分補給のつもりで糖分を多く取ることになります)
- カフェインを含む飲み物は、時間帯で考える(夕方以降に増えると睡眠に影響することがあります)
- 飲酒は睡眠を浅くすることがある(寝つきのために飲む形にしない)
- 食事の代わりに飲み物で済ませない(主食・主菜・副菜の回数として数えられません)
栄養ドリンクを利用していても、睡眠時間や食事内容そのものは別に確認する必要があります。
睡眠の状況も別に確認する
疲れが抜けない状態が続いているときは、食事だけでなく睡眠も見ておく必要があります。同じ調査では、ここ1か月で睡眠で休養がとれている人は74.9%で、平成21年からの推移では有意に減っています。
1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性38.5%・女性43.6%で、男性の30〜50歳代、女性の40〜60歳代では4割を超えています。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、良質な睡眠のための環境づくりとして次を挙げています。
- 日中にできるだけ日光を浴びる(体内時計が調節され、入眠しやすくなる)
- 就寝の約1〜2時間前に入浴し、身体を温めてから寝床に入る
- 寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まず、できるだけ暗くして寝る
- できるだけ静かな環境で、リラックスできる寝衣・寝具で眠る
食事と睡眠は、それぞれ別の生活習慣として確認しておく必要があります。片方だけを見ていると、もう片方が足りていない状態に気づきにくくなります。
運動との関係
同じ調査で、運動習慣のある人は男性36.2%・女性28.6%でした(1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している人)。年齢別では男性の30歳代23.5%、女性の20歳代14.5%がもっとも低くなっています。
疲れているときに運動を増やすのは現実的でない場面もあります。ただ、日中に体を動かす時間がまったくない状態は、睡眠の質にも関わってきます。歩数の平均は男性6,628歩・女性5,659歩で、この10年で男女とも有意に減少しています。
それでも続くときは
食事や睡眠を整えても疲れが取れない状態が続く場合、別の原因があることもあります。
- 十分に寝ているのに日中の眠気が強い
- 体重が意図せず減っている、または増えている
- 気分の落ち込みが一緒に続いている
こうした状態が続いているなら、食事の工夫の範囲ではありません。厚生労働省は、気分の落ち込みなどの症状が2週間以上続く場合には「うつ」が疑われるとして、専門家(精神科、心療内科)に早めに相談することをすすめています。体の症状が中心であれば、まず内科で相談する形になります。
まとめ
- 特定の食べ物より、食事の型を見る。主食・主菜・副菜が1日2回以上そろっている人は男性45.7%・女性47.1%、20歳代では3割を切る
- 野菜は平均256.0g。350g以上とれている人は男性25.2%・女性21.9%。1食1皿単位で増やす
- 飲み物は中身で考える。栄養ドリンクを利用していても、睡眠時間や食事内容は別に確認する
- 食事と睡眠は別に確認する。睡眠で休養がとれている人は74.9%で減少傾向。6時間未満が男性38.5%・女性43.6%
- 整えても続くなら、別の原因を疑う。気分の落ち込みが2週間以上続く場合は専門家へ
情報源:厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」(調査時期 令和5年11月)第2章・第3章、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」、厚生労働省「こころの耳」ストレス軽減ノウハウ
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