暮らし・人間関係

職場の飲み会を上手に断る方法|心の負担を減らす秘訣

通常の任意参加の職場の飲み会であれば、参加を断ること自体はできます。断り方で迷うのは、その後の人間関係が心配だからです。この記事では、角が立ちにくい断り方の型と、断った後のフォローの仕方をまとめます。あわせて、断っても繰り返し誘われる、断ったことで不利益を受けるといった場合に、それがどこから問題になるのかという線引きと、相談できる窓口も整理します。

まず、断り方の型を決めておく

その場で考えようとすると、迷っているうちに断りにくくなります。あらかじめ形を決めておくと、毎回の負担が減ります。使えるのは次の3つの要素です。

  • 誘ってくれたことへの返事を先に置く(「声をかけていただいてありがとうございます」)
  • 行けない事実だけを短く言う(理由を細かく説明するほど、反論の余地が生まれます)
  • 次の接点を1つ添える(「来月なら調整できます」「ランチならご一緒したいです」)

理由は「予定がある」「体調を整えたい」で足りますし、事情を詳しく話す義務もありません。曖昧に濁すより、行けないことをはっきり伝えるほうが、相手も次の判断がしやすくなります。

組み合わせると、こうなります。

  • 「お誘いありがとうございます。その日は先約があって難しいです。来月であれば調整できます」
  • 「ありがとうございます。最近その時間帯が立て込んでいて、今回は見送らせてください」
  • 「参加は難しいのですが、お店だけ何軒か知っているので、よければ共有します」

3つ目のように、行かない代わりにできることを1つ出す形もあります。毎回同じ文面でも問題ありません。言い回しを変えようとするほど、迷って返事が遅れます。

返事のタイミングと伝え方

返事は早いほうが角が立ちません。人数の調整や店の予約が動く前に伝われば、相手の手間も減ります。

  • その日のうちに返す(迷っている場合も「参加は難しそうです」と先に伝える)
  • 全員宛のメッセージではなく、幹事に直接伝える(全体の場だと空気を読む圧が働きます)
  • 毎回断る場合は、頻度の希望を一度だけ伝える(「歓送迎会には出ます」など、出る場を自分から示す)

「出られる場を自分から1つ決めておく」と、断る回数そのものが問題になりにくくなります。全部断るか全部出るかの二択にしないということです。

断った後にやっておくこと

飲み会で共有された話が、後の仕事に関わることはあります。参加しなかった分は、別の形で埋めておくと働きやすさが変わります。

  • 翌日に幹事へ一言返す(「昨日はお疲れさまでした」だけで十分です)
  • 業務に関わる話が出ていないか、同僚に軽く確認する
  • 昼休みや休憩時間など、飲み会以外の場で話す機会を作る

断れない状況が続くときは、別の問題になっている

ここまでは進め方の話です。ただし、断っても繰り返し強く誘われる、断ったことで仕事上の扱いが変わるといった状況なら、職場の環境そのものの問題として考えたほうがよい場面があります。

厚生労働省は、職場のパワーハラスメントを次の3つをすべて満たすものと説明しています。

  • 優越的な関係を背景とした言動(抵抗や拒絶ができない可能性が高い関係のもとで行われる)
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動(業務上の必要性がない、または態様が相当でない)
  • 就業環境が害される(身体的・精神的な苦痛により、能力の発揮に重大な悪影響が生じる)

代表的な言動として、身体的な攻撃・精神的な攻撃・人間関係からの切り離し・過大な要求・過小な要求・個の侵害の6つの類型が示されています。飲み会の誘い方がただちにこれに当たるわけではありませんが、断ったことを理由に仕事から外される、人前で繰り返し責められるといった状態になっているなら、判断の枠組みとして使えます。

ハラスメントは減っているが、相談されないまま終わることが多い

厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)では、過去3年間に勤務先でパワーハラスメントを受けたと答えた人は19.3%でした。令和2年度の31.4%からは減っています(労働者等調査・回答者8,000人)。

一方で、受けた後の行動としてもっとも多かったのは「何もしなかった」で36.9%でした。次に多いのは「家族や社外の友人に相談した」19.3%で、社内の同僚に相談した18.3%、社内の上司に相談した17.9%が続きます。社内より社外に相談している人のほうが多いという並びです。

勤務先が把握した後の対応も、パワハラでは「特に何もしなかった」が53.2%で最多でした。会社に伝えても動かない場合があることは、数字の上でも出ています。

同じ調査では、パワハラを経験した人の職場の特徴として「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」が30.6%と、経験しなかった人(11.7%)を大きく上回りました。次いで「残業が多い/休暇を取りづらい」が24.8%(同11.2%)です。

社外に相談できる窓口

社内で解決しない場合や、社内に相談しにくい場合は、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」が使えます。労働基準監督署などに設置されていて、相談は無料です。予約なしで相談でき、会社との間に入って助言やあっせんにつなぐこともあります。

相談する前に、いつ・誰から・どのように言われたかをメモに残しておくと話が早く進みます。日時が分かる記録(メールやメッセージの画面)があれば、それも保存しておいてください。記憶だけで話すより、時系列が整理されているほうが窓口も状況をつかみやすくなります。

社内にも相談先がある場合があります。事業主には、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備が義務づけられています。相談先は社内規程や就業規則などで確認してください。

まとめ

  1. 断り方は型を決めておく。お礼 → 行けない事実だけ短く → 次の接点を1つ。理由を詳しく説明する義務はない
  2. 返事は早く、幹事へ直接。出る場を自分から1つ決めておくと、断る回数自体が問題になりにくい
  3. 断っても繰り返し強要される、断ったことで扱いが変わるなら別の問題。パワハラの3要素(優越的な関係・業務上必要な範囲を超える・就業環境が害される)で考える
  4. 受けた人の36.9%は何もしないまま終わっている。社内で動かないときは都道府県労働局の総合労働相談コーナーへ。相談は無料

情報源:厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要」(令和5年度委託事業・2024年5月17日)、厚生労働省「あかるい職場応援団」パワーハラスメントの定義と6類型、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)

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