暮らし・人間関係

夫からの感謝がない心理的影響とは?孤独感と解消法を解説

同じ家に住んでいても孤独を感じることはあります。内閣府の調査では、孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人は同居している人がいる場合でも3.4%、配偶者がいる人でも2.4%でした(2025年12月調査)。一方で、気軽に話せる相手がいない人では25.0%と、いる人(2.5%)の10倍になります。この記事では、この数字をもとに、感謝が言葉にならない家庭で何が起きているのか、伝え方をどう変えるか、夫婦以外の支えをどう持つかを整理します。

一緒に暮らしていても、孤独感はなくならない

内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)」は、全国の16歳以上2万人を対象に行われた国の調査です(2025年12月1日時点・有効回答11,873人)。孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人の割合を、属性ごとに見ると次のようになっています。

区分 孤独感が「しばしばある・常にある」
全体 4.5%
配偶者がいる 2.4%
未婚 9.0%
同居している人がいる 3.4%
同居している人がいない 9.8%

配偶者がいる人の割合は全体より低くなっています。ただしゼロではありません。同居している人がいても3.4%です。「一緒に住んでいるのだから孤独なはずがない」とは言えない、ということがこの数字から読み取れます。

孤独感は、直接「どの程度、孤独であると感じることがありますか」と聞いた設問への回答です。全体では「時々ある」13.7%、「たまにある」19.5%を合わせると、約4割が何らかの形で孤独感があると答えています。

差が大きいのは「話せる相手がいるか」

同じ調査で、もっとも差が開いたのは相談相手の有無でした。

区分 いる いない
気軽に話せる相手 2.5% 25.0%
相談相手 2.5% 23.4%
頼れる人 2.7% 25.1%

配偶者の有無による差(2.4%と9.0%)より、話せる相手の有無による差(2.5%と25.0%)のほうがはるかに大きくなっています。配偶者の有無よりも、「気軽に話せる相手」の有無のほうが、孤独感の割合の差は大きく出ています。

この調査から夫婦の会話量との因果までは分かりませんが、家庭内に気軽に話せる関係があるかを確認する材料にはなります。感謝という言葉そのものだけでなく、やりとりが残っているかどうかも合わせて見ておく、という読み方です。

一緒に食事をとる頻度でも差が出ている

同じ調査は、誰かと一緒に食事をとる頻度(共食)も聞いています。孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人の割合は次のとおりでした。

誰かと一緒に食事をとる頻度 孤独感が「しばしばある・常にある」
ほとんど毎日 2.7%
週に4〜5日 4.8%
週に2〜3日 5.1%
週に1日程度 3.7%
月に1〜2日程度 5.1%
ほとんどない 17.3%

「ほとんど毎日」と「ほとんどない」で6倍以上の差があります。間の区分(週に1日〜4〜5日)では、はっきりした段階的な差は出ていません。読み取れるのは「まったく無い状態が突出して高い」ということで、回数を増やせば比例して下がる、という話ではない点には注意が必要です。

夫婦の生活時間がずれていて食事の時間が合わない場合、週に何度かでも一緒にとる日を決めておく意味はあります。会話の内容を変えるより先に、顔を合わせる場面が残っているかどうかのほうが手をつけやすいこともあります。

「言わなくても分かる」がなぜ続かないのか

家事や育児は、終わった状態だけが目に入ります。洗濯物がしまわれている、冷蔵庫に食材がある、子どもの持ち物がそろっている。完了した結果は見えても、そこにかかった手間は見えません。

見えないものには反応が返りません。反応がないと「気づかれていない」と感じ、次第に伝えるのをやめます。やめると、ますます見えなくなります。この順序で会話が減っていくため、途中で意識的に止めないと元に戻りにくくなります。

ここで責める形にすると、相手は防御に回ります。「なぜ感謝しないのか」と問うより、何をしたかを事実として伝えるほうが、話が続きます。

伝え方を変える

感謝を引き出そうとするより、まず情報として共有する形に切り替えるほうが実行しやすくなります。

  • やったことを事実として言う(「今日、保育園の書類を3枚出しておいた」)。評価を求める言い方にしない
  • これからやることを先に言う(「今週末、上の子の面談がある」)。共有すれば、相手も動ける
  • 自分からも言葉にする(「ゴミ出しありがとう」)。一方通行のままだと続きません
  • まとめて話す時間を決める(週に1回10分でも、予定と分担を確認する場を作る)
  • 頼みたいことは具体的に言う(「手伝ってほしい」ではなく「木曜の朝、保育園に送ってほしい」)

言い方を変えても、すぐには変わりません。ただし話す機会を意識的に作る方法の1つにはなります。先の数字で差が大きかったのは「気軽に話せる相手がいるか」でした。

30代・40代で高くなっている

年齢で見ると、孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人の割合は30歳代が6.1%で最も高く、40歳代と50歳代が5.7%と続きます。70歳代は2.5%、80歳以上は3.0%で、高齢層のほうがむしろ低くなっています。

男女別では男性5.3%、女性3.7%です。男女と年齢を合わせて見ると、男性は50歳代(7.6%)、女性は30歳代(5.7%)で高くなっています。

子育てや仕事が重なる時期に数字が高く出ている形です。忙しさと孤独感は両立します。人と関わる時間が多くても、その中身が業務や家事の調整ばかりであれば、話せる相手がいる状態とは別のものになります。

この時期は、自分の状態を言葉にする機会そのものが減りがちです。相手に感謝を求める前に、自分が何を負担に感じているかを一度書き出してみると、伝える内容が整理されます。頭の中だけで回していると、不満の総量だけが増えて、何を頼みたいのかが相手に伝わりません。

タイミングと場面を選ぶ

同じ内容でも、伝わり方は場面で変わります。

  • 相手が何かをしている最中は避ける(作業中や画面を見ている最中は、耳に入りません)
  • 不満とセットにしない(「ありがとう。でも」と続けると、後半だけが残ります)
  • その場で短く言う(あとでまとめて言おうとすると、たいてい言わずに終わります)

非言語の部分も含まれます。返事をする、顔を向ける、といった反応があるだけでも、やりとりが成立している状態に近づきます。逆に、聞こえてはいるが反応がない状態が続くと、話しかける側は「届いていない」と判断して回数を減らします。言葉の内容より、反応が返るかどうかのほうが先に効いてきます。

夫婦以外の支えを持っておく

これは関係を諦めるという意味ではありません。1人にすべてを求めない、という配分の話です。調査で差が大きかったのは「気軽に話せる相手がいるか」であって、それが配偶者である必要はありません。

  • 友人や家族と、定期的に連絡を取る機会を作る
  • 地域の活動や趣味の場に参加する。調査では、いずれかの社会活動に参加している人は45.8%でした
  • 同居していない家族や友人と直接会って話す機会を持つ。「全くない」と答えた人は9.7%です

相談先としては、自治体の相談窓口のほか、国が用意している窓口もあります。どこに相談すればよいか分からないときは、内閣府の孤独・孤立対策のサイトから窓口を探せます。

ただし、公的な支援につながっている人は多くありません。同じ調査で日常生活に不安や悩みを感じている人のうち、行政機関やNPOなどからの支援を「受けていない」と答えた人は87.0%でした。理由としてもっとも多かったのは「支援が必要ではないため」で63.1%です。

裏を返すと、必要だと感じていない段階で窓口に行く人は少ない、ということです。困ってから探すと、選択肢を調べるところから始めることになります。状態が軽いうちに、どこに何があるかだけ見ておくと、必要になったときに動きやすくなります。

周囲との関わりについては、別の数字もあります。同じ調査では、48.4%が、周囲に不安や悩みを抱える人がいたら積極的に声掛けや手助けをしようと思うと回答しています。相談することを、相手の負担としてだけ捉えなくてよい材料にはなります。

状態が続くときは

気分の落ち込みが続く、眠れない、食べられないといった状態が続き、生活に支障が出ている場合は、話し方の工夫の範囲を超えています。厚生労働省は、気分の落ち込みや、楽しみや喜びを感じないといった症状が2週間以上続くことで、従来の社会生活が困難になる状態をうつ病と説明しています。

孤独・孤立調査でも、心身の健康状態が「よくない」と答えた人では、孤独感が「しばしばある・常にある」割合が32.9%と、「よい」と答えた人(0.8%)と大きな差がありました。体調の問題が先にある場合は、そちらを先に扱う必要があります。

まとめ

  1. 同居していても孤独感はなくならない。同居している人がいる場合で3.4%、配偶者がいる場合で2.4%。全体では約4割が何らかの孤独感があると答えている
  2. 差が大きいのは「気軽に話せる相手がいるか」。いる人2.5%に対し、いない人は25.0%と10倍
  3. 感謝を求めるより、やったことを事実として共有する。評価を求める形にすると相手は防御に回る
  4. 支えを1人に集中させない。話せる相手は配偶者である必要はない。体調の問題が続く場合は、そちらを先に扱う

情報源:内閣府孤独・孤立対策推進室「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果のポイント」(正式名称「人々のつながりに関する基礎調査」・統計法に基づく一般統計調査・調査期日2025年12月1日・有効回答11,873人・2026年4月14日公表)図1・図5・図7・図8・図10および属性別結果、厚生労働省「こころの耳」うつ病の主な症状と原因

この記事をシェアする

同じことで困っている人がいたら、教えてあげてください

URLをコピーしました

関連記事

失敗を恐れず挑戦する方法と心構え|成長への道筋を探る

2025.03.30

ストレスを減らす!自宅でできるマインドフルネスの実践法

2025.02.05
理想の結婚相手を見つける方法|婚活アプリとコミュニティ活用の秘訣

理想の結婚相手を見つける方法|婚活アプリとコミュニティ活用の秘訣

2025.01.12

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です