「近所で工事してて、お宅の屋根が気になったので無料で点検します」と突然訪問してくる業者、実は悪質リフォーム業者の可能性が高いです。警察庁の発表によると、2025年の悪質リフォーム検挙数は83件で過去最多、被害額は約151億円(前年の3.3倍)に達しています。被害者の7割以上は65歳以上の高齢者。本記事では公式情報をもとに、危険サインの見抜き方・正しい撃退法・万が一契約した場合のクーリングオフ手続きをわかりやすく解説します。
1. 「無料で屋根点検」訪問業者の典型的な手口
悪質リフォーム業者は、ある決まったパターンで訪問してきます。手口を知っておくだけで、被害を未然に防げる可能性が大きく上がります。
手口の流れ(警察庁公式発表)
- 突然の訪問:「近所で工事してます」「お宅の屋根が気になって」などと声をかける
- 無料点検の提案:「無料で点検しますよ」と言って屋根に上がる
- 不安を煽る:「すぐ修理しないと雨漏りする」「このままだと大変なことに」と脅す
- その場で契約を迫る:「今日決めれば割引します」と急かす
- 高額請求:本来必要のない工事を行い、数十万円〜数百万円を請求
悪質業者の常套句
こんな言葉が出てきたら警戒度MAX。実際の被害事例で繰り返し使われている決まり文句です。
- 「近所で工事してて、お宅の屋根が気になった」
- 「無料で点検しますよ」
- 「屋根の浮いているところが壊れていて、このまま放置すれば雨漏りします」
- 「今すぐ修理しないと大変なことになる」
- 「今日契約すれば大幅割引します」
- 「今だけのリフォームキャンペーン中です」
これらの言葉が並んだら、その場で契約してはいけません。
2. 警察庁発表のデータで見る深刻さ
検挙件数・被害額が過去最多を更新
警察庁が2026年3月に公表したデータによると、2025年の悪質リフォーム被害は深刻な状況になっています。
- 検挙件数:83件(前年66件から17件増・2年連続で最多更新)
- 被害額:約151億6千万円(前年の3.3倍)
- 検挙者数:175人(前年比45人増・過去最多)
- 被害者の7割以上が65歳以上の高齢者
背後には「トクリュウ」が関与
警察庁発表によると、検挙された83件のうち34件は匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」が関与している可能性があるとのこと。さらに検挙者175人のうち、105人は闇バイト募集などに応じた人物でした。
トクリュウは、SNSの闇バイトで集めた人物がリフォーム業者を装って訪問してくる犯罪手口。メンバーが頻繁に入れ替わるため、被害に遭ってから業者を追跡するのが極めて難しくなっています。
強盗事件との関連も
さらに警戒すべきは、リフォーム業者や点検業者を装う訪問が、その後の強盗事件につながるケースです。2024年以降、首都圏を中心に闇バイト関連の強盗事件が頻発しており、名古屋市や福岡県・長野県などでは「塗装工事」「インターネット回線の点検」「リフォーム工事」を名乗る不審な訪問について、警察が注意を呼びかけています。点検業者と称して家の中の様子や家族構成を下見される可能性もあるため、安易に家に上げず、不審な訪問は警察に連絡することが重要です。
3. やってはいけない行動
突然の訪問業者が来た時、絶対に避けたい行動
① 玄関を開けて家に上げる
② 屋根や床下、水回りなどを点検させる
③ その場で契約書にサインする
④ 「今だけ割引」「キャンペーン中」の言葉を信じる
⑤ 一人で判断する(家族に相談せずに決める)
とくに②は要注意です。屋根に上らせると、業者がわざと住宅の一部を壊して「ほら、こんなに傷んでいる」と被害をでっち上げるケースが報告されています。一度上らせてしまうと、契約を断りにくい雰囲気に持ち込まれる場合もあります。
4. 正しい撃退法
撃退法1:玄関を開けずに断る
突然の訪問業者には、まず玄関を開けないのが一番安全です。インターホン越しに「結構です」と伝えるだけでOK。それでも食い下がってきたら、警察に相談する旨を伝えると、ほとんどの業者は引き下がります。
撃退法2:「家族に相談してから決めます」と言って即帰す
もし話を聞いてしまっても、その場で契約しないことが鉄則。「家族に相談してから決めます」と伝えて、業者を帰してください。本物のリフォーム業者であれば、家族との相談を待ってくれます。それを嫌がる業者は、その時点で悪質業者の可能性が高いです。
撃退法3:屋根や床下に絶対上らせない
「無料だから」と言われても、屋根や床下、水回りに上がらせてはいけません。点検と称して破損箇所を作られたり、家の中の様子を下見されたりする可能性があります。
撃退法4:警察相談専用電話「#9110」に相談
- 電話番号:#9110(局番なし)
- 受付時間:平日午前8時30分〜午後5時15分(地域により異なる)
- 相談料:無料(通話料は有料)
警察庁も「突然の訪問があっても、その場で自宅に入れたり点検させたりせず、警察に相談してほしい」と公式に呼びかけています。
5. 万が一契約してしまったら:クーリングオフ制度
もし押し切られて契約書にサインしてしまっても、諦める必要はありません。訪問販売の場合は、契約から8日以内ならクーリングオフ(無条件解約)が可能です。
クーリングオフの基本ルール
- 期間:契約書面を受け取った日から8日以内
- 方法:書面または電子メールで通知(口頭だけでは不可)
- 費用:工事代金は全額返金される(違約金や損害賠償の請求も不可)
- 原状回復:すでに工事された場合も、業者が無料で元に戻す義務
クーリングオフの書き方(基本)
クーリングオフは「契約解除通知書」を業者宛てに送ることで成立します。簡単な内容で問題ありません。
- 件名:契約解除通知書
- 契約年月日
- 商品名(工事内容)
- 契約金額
- 業者名
- 「上記の契約を解除します」の一文
- 通知日付・自分の住所と氏名
記録に残るよう、特定記録郵便や簡易書留で送付するのがおすすめです。コピーは必ず手元に保管しておきましょう。
不安なら消費者ホットライン「188」に相談
クーリングオフの書き方や手続きが分からない時は、消費者ホットライン「188」(いやや)に電話してください。最寄りの消費生活センターにつながり、書類の書き方や業者との交渉方法をアドバイスしてもらえます。
6. リフォームを検討している方へ:優良業者の選び方
悪質業者の話だけでなく、本当にリフォームが必要な場合の業者選びについても触れておきます。
優良業者を見分けるポイント
- 建設業許可番号を持っている(自治体や国土交通省のサイトで確認可)
- 住所・電話番号・代表者名が明確に公開されている
- 見積書を書面で出してくれる(細かい内訳付き)
- その場での契約を急がせない(検討時間をしっかりくれる)
- 口コミや実績が地域で確認できる
見積もりは必ず複数社から取る
リフォーム工事の適正価格は、地域や工事内容によって大きく異なります。1社だけの見積もりでは「高すぎるか安すぎるか」が判断できないため、必ず2〜3社から相見積もりを取って比較してください。これだけで、相場から大きく外れた業者を避けられます。
7. 家族を守るために伝えたいこと
悪質リフォーム業者の被害者は、その7割以上が65歳以上の高齢者です。実家のお父さん・お母さんが一人で対応してしまうと、被害につながりやすいのが現状です。家族で以下の3つを共有しておくと安心です。
- 突然の訪問業者は玄関を開けずに断る
- もし話を聞いても「家族に相談してから決めます」と即帰す
- 契約してしまっても8日以内ならクーリングオフ可能
この3つを家族で共有しておくだけで、何十万円・何百万円もの被害を防ぐことができます。
まとめ:覚えておきたい3つのポイント
- 「無料で屋根点検」と訪問してくる業者はその場で帰すのが正解
- 悪質リフォーム検挙の4割以上にトクリュウが関与(警察庁2026年3月発表)
- 万が一契約しても8日以内ならクーリングオフで全額返金可能
悪質リフォーム業者の手口を知っているかどうかで、被害に遭うかどうかが決まります。「家族に相談してから決めます」というたった一言で、何十万円もの被害を防げる詐欺です。
この記事を一戸建ての家族のLINEに送って、いざという時のために覚えておいてもらいましょう。たった5分の確認が、家族を守る大きな備えになります。
情報源:警察庁「悪質リフォーム事件、過去最多被害150億円超」(2026年3月発表)、国民生活センター「点検商法に注意」、消費者庁「クーリング・オフ制度」、警察相談専用電話「#9110」、消費者ホットライン「188」
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