40代で疲れが取れにくくなるのはなぜ?

40代になると、仕事や家事に加えて親の介護や子どもの世話など、忙しさが増す方も多いかもしれません。こうした中で「なんだか疲れが取れない…」と感じることはありませんか?
体力やホルモンの変化、生活リズムの乱れなど、さまざまな要因が重なることで疲労回復力が落ちてしまうと考えられています。まずはなぜ疲れが取れにくくなるのか、その主な理由を一緒に見ていきましょう。

疲れが取れない主な原因

睡眠不足や睡眠の質の低下

忙しい日々が続くと、つい寝る時間が削られがちです。寝不足だけでなく、「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」といった睡眠の質の低下も、疲労を溜めやすくする原因といえます。
また、40代になると深い眠り(ノンレム睡眠)の時間が減少しやすくなることも、疲れの回復力の低下につながっているようです。

Check!

・スマホやパソコンを長時間使っている
・寝つきが悪く、睡眠時間が確保できない
・毎日同じ時間に就寝・起床できない

栄養バランスの乱れ

忙しい日々の中では、食事を簡単に済ませがちです。炭水化物や脂質ばかりに偏ってしまうと、身体が必要とするタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂取できず、欠乏してしまう恐れがあります。
こうした栄養バランスの乱れは疲れの原因になるだけでなく、肌荒れや体調不良を引き起こすこともあるので注意してください。

Check!

・忙しくてコンビニ食や外食が増えている
・野菜や果物をあまり摂れていない
・気づかないうちに同じようなメニューを選びがち

運動不足

オフィスワークや在宅勤務で身体を動かす機会が減っていませんか? 運動量が足りないと筋力が衰え、少し動いただけでも疲れを感じやすくなります。
さらに、血流が悪くなると、疲労物質が体内に溜まりやすくなるので、少しずつでも体を動かすことが大切です。

Check!

・家から駅までの移動でも車やバスを利用している
・休日は家でゴロゴロしがち
・階段よりエスカレーター・エレベーターをつい使ってしまう

ストレスの蓄積

職場や家庭での人間関係、時間のなさによる精神的なプレッシャーなど、ストレスは知らず知らずのうちに溜まってしまいます。
こうしたストレスを抱え込みすぎると、体だけでなく心の疲れも取れにくくなり、慢性的な疲労感につながることがあります。

Check!

・悩みを相談できる相手がいない
・イライラを食事やお酒で紛らわせている
・気分の切り替えがうまくできず、常に考え込んでしまう

疲れを取るための具体的な方法

ここでは、40代の方が日々の疲れを少しでも軽くするために取り入れやすい方法を紹介します。どれも難しいことではなく、意識して生活に組み込むだけで体と心がスッキリしやすくなります。ぜひ、少しずつでも実践してみてください。

睡眠の質を上げる

毎日しっかり眠っているつもりでも、「なんとなく疲れが残っている」と感じる方は多いのではないでしょうか。睡眠時間の長さも大切ですが、質を意識することで、より効率よく疲労回復できる可能性があります。

寝る前のスマホやパソコンを控える

寝る直前までスマホやパソコンの画面を見ていませんか? ブルーライトは目や脳を刺激し、入眠を妨げる要因になりやすいです。仕事やSNSで忙しくても、寝る1時間前にはできるだけ画面を見ない時間を作るよう意識すると、眠りが深まりやすくなります。寝る前はゆっくり音楽を聴いたり、軽くストレッチをするなどリラックスできる習慣がおすすめです。

Check!

・寝る前はスマホの通知をオフにしておく
・部屋の照明を少し落として、自然に眠気を誘う
・スクリーンタイムを設定して強制的にスマホ使用を制限する

入浴やストレッチで体をリラックス

「忙しくてシャワーで済ませることが多い」という方もいらっしゃるかもしれません。ただ、湯船にゆっくり浸かることで血行が促進され、体が温まるとリラックスしやすくなります。
入浴後には簡単なストレッチを取り入れてみましょう。凝り固まった筋肉をほぐすと、疲れも感じにくくなりますし、睡眠の質アップにもつながります。

Check!

・バスタブに10~15分ほどゆっくり浸かる
・ふくらはぎや太ももなど、疲れが溜まりやすい部位を中心にストレッチ
・お気に入りの入浴剤を使って気分を上げる

栄養を見直す

何を食べるかは、体や心の状態に大きく影響するといわれています。疲れを軽減するうえで大切なのは、バランスよく栄養を摂ることです。食生活を少し見直すだけでも、毎日の疲れが緩和されやすくなります。

疲労回復に役立つ食材を取り入れる

一日のうちで、栄養バランスを考えて食事をするのは大変なことかもしれません。ただ、ポイントを押さえるだけで、ぐっと体調が変わる方もいるようです。例えば、以下のような食材を意識して取り入れてみるのはいかがでしょうか。

Check!

・豚肉、鶏ささみ、大豆製品など、タンパク質が豊富な食材
・疲労回復に役立つといわれるビタミンB群を含む食品(レバー、うなぎ、卵など)
・免疫力アップにもつながる緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、にんじんなど)

「なかなか野菜を調理する時間がない」という方は、カット野菜や冷凍野菜を活用する方法もあります。無理せず続けられる形で、少しずつ栄養をプラスしてみてください。

サプリメントの活用

食事から必要な栄養素を摂れれば理想的ですが、忙しくて難しいことも多いですよね。そんなときはサプリメントを上手に利用するのも一つの方法といえます。
ただし、過剰摂取には注意が必要です。パッケージに記載されている用量を守りながら、自分に合ったサプリを選ぶようにしましょう。また、既に服薬しているお薬との相性についても確認できると安心です。

Check!

・サプリだけに頼らず、基本は食事で栄養を摂る
・どんな栄養素が不足しているかを見極める
・何か気になる症状があれば、早めに病院で相談する

軽い運動を習慣にする

「運動がいい」とわかっていても、ハードなメニューを続けるのは大変ですよね。そこでおすすめしたいのが、無理のない軽い運動を習慣化することです。血流を促し、筋力もキープできるので、疲労の回復をサポートしてくれることが期待できます。

ウォーキングやストレッチ

いきなりジョギングや筋トレを始めるのはハードルが高いという方も、ウォーキングなら取り入れやすいかもしれません。近所を散歩したり、少し遠回りして歩くなど、日常生活に無理なく組み込んでみましょう。
ストレッチは筋肉をほぐすだけでなく、気分転換にも役立ちます。朝起きたときや寝る前の数分でもいいので、ゆっくり体を伸ばしてみてください。

Check!

・雨の日は家の中で踏み台昇降やヨガをする
・気分がのらない日は、無理せず軽めのメニューに切り替える
・ウォーキング用の靴やウェアを揃えてモチベーションアップ

無理なく続けることが大切

運動は継続することが一番大切です。少しの時間でも毎日続けるほうが、一回だけ激しい運動をするよりも疲労回復や健康維持には効果的といわれています。
「今日はどうしても疲れている」というときは、無理をせず体を休めながら、可能な範囲で取り入れてみてください。週に1~2回でも続けることで、体が慣れてきて疲れにくさを実感できることもあります。

Check!

・一気に成果を求めず、長い目で考える
・運動後はタンパク質を意識した食事で筋肉の回復を促す
・翌日に疲れが残るような激しい運動は避ける

ストレス解消法を見つける

ストレスは、体と心の疲れを溜め込む大きな原因の一つです。自分なりの解消法をいくつか見つけておくことで、疲れの蓄積を防ぎやすくなります。

趣味やリラクゼーションを取り入れる

何かに没頭できる時間は、ストレスを手放すチャンスといえます。読書、映画鑑賞 カメラ、ランニングなど、人によってリラックスできる方法はさまざまです。
生活の中でほんの少しの時間でも「好きなこと」を取り入れられると、心が軽くなる感覚を得られることがあります。リラクゼーションとして、アロマを焚いたり、軽く瞑想するのもおすすめです。

Check!

・通勤中に音楽やラジオを楽しむ
・休みの日は自然の多い場所に出かけて気分転換
・SNSやネットから少し離れる時間を作る

悩みを話せる相手をつくる

ストレスや不安を一人で抱え込んでいると、気づかないうちに心も体も疲れてしまいます。友人や家族、あるいは信頼できる同僚など、気軽に相談できる相手がいるだけで安心感が得られることも多いです。
もし身近に話せる相手がいなければ、オンライン上で気の合う仲間を見つけたり、専門の相談窓口を利用するのも一つの方法です。話すことで気持ちが整理され、ストレスをうまくコントロールしやすくなります。

Check!

・家族や友人に軽く愚痴をこぼすだけでも気分が楽になる
・話すのが苦手な場合は、手紙や日記に書くのもおすすめ
・一人で抱え込まず、積極的に周囲のサポートを求める

まとめ

40代になると、体力やホルモンバランス、ライフスタイルの変化など、様々な要因が重なって疲れが取れにくく感じることが増えるかもしれません。忙しい日々の中で「どうしてこんなに疲れるの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

そんなときは、まず睡眠の質を見直してみたり、栄養バランスを整えることから始めてみてください。毎日激しい運動をしなくても、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を継続するだけでも、体のめぐりが良くなると期待できます。また、ストレスを溜め込まないよう、趣味や友人とのおしゃべりなど、リラックスできる時間を意識して作りましょう。

さらに、疲れの原因をはっきりさせるために、生活リズムのチェックや食生活の点検もおすすめです。もし悩みが深刻であれば、早めに専門の医療機関やカウンセリングを利用するという選択肢もあります。

毎日の積み重ねが健康にも大切なので、「無理のない範囲で、できることを少しずつ」の気持ちで取り組むのがポイントです。自分の体と心に合った方法を見つけて、心地よく過ごせる時間を増やしていきましょう。