暮らし・人間関係

恋人の飲み会不安解消法|嫉妬やストレスを軽減する具体策

恋人が職場の飲み会に行くたびに落ち着かない、というときは、不安そのものを消そうとするより、扱い方を決めておくほうが現実的です。厚生労働省の調査では、仕事や職業生活のストレスについて相談できる人がいる労働者は94.6%、そのうち実際に相談したことがある人は74.7%でした。この記事では、不安が起きる仕組みと、飲み会の前後で決めておくこと、自分の不安の扱い方を整理します。

不安は「相手への疑い」だけで起きているとは限らない

厚生労働省の「こころの耳」は、ストレスをストレッサー(ストレスの原因になる出来事)とストレス反応に分けて説明しています。出来事があり、それに対して心理面・身体面・行動面の反応が出る、という順序です。

この分け方を当てはめると、飲み会という出来事(ストレッサー)に対して、落ち着かない・眠れない・連絡を確認し続けるといった反応が出ている状態になります。反応が出ていること自体は、相手を信用していない証拠ではありません。

同じサイトは、対処能力を上回るストレッサーを経験したり、ストレッサーが長く続いたりすると反応が慢性化し、活気が低下していくと説明しています。一度きりの飲み会より、繰り返し続く状態のほうが負担になりやすいということです。

不安が強くなりやすい場面を特定する

「飲み会が不安」とまとめると手がつきません。どの場面で強くなるかを分けてみてください。

  • 急に決まったと知らされたとき … 予定が読めないことへの反応
  • 連絡が途切れている時間 … 状況が分からないことへの反応
  • 帰宅時間が予定より遅れたとき … 約束との差への反応
  • 参加者の顔ぶれを聞いたとき … 特定の相手に関する反応

場面が特定できると、話し合う内容も具体的になります。「不安だから行かないで」ではなく、「何時ごろ終わるか分かったら教えてほしい」のように、実行できる形にできます。

ストレスの中身は、人によって違う

厚生労働省の令和6年の調査では、仕事や職業生活で強い不安・悩み・ストレスがあると答えた労働者は68.3%でした。その内容として多かったのは「仕事の量」43.2%、「仕事の失敗、責任の発生等」36.2%、「仕事の質」26.4%です(主なもの3つ以内)。

令和5年は82.7%でしたが、設問の形式を変えているため、前の年との単純な比較はできないと調査自体が注記しています。数字を見るときの前提として書いておきます。

ここで押さえておきたいのは、同じ「飲み会」でも、相手にとっての意味はこちらの想像と違うことがあるという点です。断りにくい場である場合も、仕事上の付き合いとして必要と考えている場合もあります。相手が何を負担に感じているかを聞いていないと、こちらの不安だけが前に出ます。

前に決めておくこと

その場で対応しようとすると、感情が乗った状態で話すことになります。落ち着いているときに決めておくほうが実行しやすくなります。

  • 連絡のタイミングを1回だけ決める(「始まるとき」か「終わるとき」のどちらか。何度も求めると相手の負担になります)
  • 帰宅時間の目安を共有する(正確な時刻でなく「日付が変わる前」程度で十分です)
  • 連絡が来なかったときにどうするかも決めておく(追加で連絡しない、と決めておくと迷いません)

決めた内容は、相手が守れる範囲にしてください。守れない約束を作ると、破られたという事実が新しい不安の材料になります。細かく決めるほど守られない場面が増えるので、項目は少ないほうが機能します。

この話し合いは、飲み会の当日ではなく、何もない日にしておくことをすすめます。当日に切り出すと、相手は出かける直前に責められていると受け取ります。

待っている時間の過ごし方

連絡を待つだけの時間は、不安が大きくなりやすい時間帯です。予定を入れておくと、確認の回数が減ります。

  • 友人と会う、家族と連絡を取るなど、人と関わる予定を同じ日に入れる
  • 見終わるまでに時間のかかるもの(映画やドラマ)を用意しておく
  • スマートフォンを別の部屋に置く時間を作る

「気にしないようにする」は、意識をそこに向け続けることになるので続きません。別のことをしている状態を作るほうが実行しやすくなります。

飲み会の日を、自分の予定を入れる日として使う方法もあります。相手が出かける日に合わせて友人と会う約束をしておけば、待つ時間そのものが短くなります。相手の予定に自分の時間を空けて合わせていると、待つ時間が長くなり、その分だけ考える時間も増えます。

連絡が来ないこと自体を問題として扱いすぎないことも大事です。店が騒がしくて気づいていない、充電が切れているなど、理由は複数あります。決めた時間に連絡が来なかったときの行動をあらかじめ決めておけば、その場で判断しなくて済みます。

確認を増やしても、不安は減りにくい

連絡を確認する、位置を確かめる、あとから状況を聞く。こうした行動は、その場では落ち着きます。ただし、確認して安心するという流れができると、次も確認しないと落ち着かなくなります。

こころの耳は、ストレッサーによる悪影響を和らげるための工夫を「コーピング(対処)」と呼んでいます。工夫の仕方はいくつもあり、相手に働きかける方法だけが対処ではありません。

  • 出来事そのものに働きかける(連絡のタイミングを決める、予定を共有してもらう)
  • 自分の受け取り方に働きかける(不安が出ている事実を書き出して、実際に何が起きたかと並べる)
  • 体の状態を整える(睡眠を削らない、待つ時間に飲酒を増やさない)

3つ目は見落とされがちです。眠れていない状態や酒量が増えている状態では、同じ出来事でも反応が強く出ます。

帰ってきた後の話し方

帰宅直後に問い詰める形になると、次から話しにくくなります。聞き方を変えるほうが情報は集まります。

  • 事実を確認する形にしない(「誰がいた?」より「どうだった?」)
  • その場で長く話さない(疲れている状態での会話は、双方とも短気になります)
  • 自分の状態は、別の機会に伝える(「待っている間、少し落ち着かなかった」と事実として言う)

自分の感じたことを伝えるときは、相手の行動を責める形にせず、自分がどうだったかを言うほうが受け取られやすくなります。厚生労働省は、相手の気持ちや考えを尊重しながら自分の気持ちや考えをその場に適した表現で伝える方法を「アサーション」と呼んでいます。

相談先を1つ持っておく

厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活のストレスについて相談できる人がいる労働者は94.6%でした。相談できる相手は「家族・友人」68.6%、「上司」65.7%の順です。実際に相談したことがある人は、相談できる人がいる労働者のうち74.7%でした。

この調査は仕事のストレスについてのものですが、相談先を持っている人が9割を超える一方で、実際に相談する段階では2割以上が使っていないという差は、恋愛の悩みでも起こりやすい形です。1人で抱えている状態が続いているなら、話せる相手を1人決めておくほうが楽になります。

なお、相手の交友関係を細かく報告させる、連絡先を確認する、外出を制限するといった形になっている場合は、不安の扱い方の問題を超えています。その状態が続いているなら、第三者に相談してください。

状態が続くときは

厚生労働省は、気分の落ち込みや睡眠の問題などの症状が2週間以上続く場合には「うつ」が疑われるとして、専門家(精神科、心療内科)に早めに相談することをすすめています。

眠れない日が続く、食欲がない、仕事や家事が手につかないといった状態になっているなら、恋人との話し合いより先に、そちらを扱う場面です。

まとめ

  1. 不安はストレッサーへの反応。相手を信用していないことの証明ではない。繰り返し続く状態のほうが負担になりやすい
  2. どの場面で強くなるかを特定する。「行かないで」ではなく実行できる形の依頼にする
  3. 連絡のタイミングは1回だけ決める。守れない約束は新しい不安の材料になる
  4. 話せる相手を1人持っておく。相談できる人がいる労働者は94.6%だが、実際に相談した人は74.7%にとどまる
  5. 気分の落ち込みや睡眠の問題が2週間以上続くなら、専門家に早めに相談する

情報源:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」個人調査第18表・第19表、厚生労働省「こころの耳」ストレス軽減ノウハウ、厚生労働省「こころの耳」用語解説「アサーション」

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