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要介護認定とは|申請の方法と、結果が出るまでの流れ

要介護認定とは|申請の方法と、結果が出るまでの流れ

介護保険のサービスを使うには、要介護認定を受ける必要があります。ここで決まるのは病気の重さではなく、介護にどれだけ手間がかかるかです。この記事では、申請する場所と必要なもの、訪問調査で見られること、主治医意見書の扱い、結果が出るまでの期間、納得できないときにできることをまとめます。

要介護認定とは

要介護認定は、介護がどのくらい必要な状態かを市区町村が判定する手続きです。申請すると、調査員が本人に面接し、かかりつけ医が意見書を書き、その結果をもとに区分が決まります。

介護保険という制度そのものについては、介護保険とはでまとめています。

ここで誤解されやすいのが、何を基準に決まるかという点です。厚生労働省の認定調査員テキストは、要介護認定の評価軸を「介護の手間の総量」だと説明しています。

同じテキストには、状態を把握しただけでは区分は決まらないという説明もあります。たとえば「歩けるが、さっき食事をしたことは忘れてしまう」という状態が分かっても、そこから直接、要介護度が決まるわけではないという書き方です。

つまり、診断名が重いほど要介護度が高くなる、という仕組みではありません。その人の世話にどれだけの手間がかかっているかが基準になります。

判定は2段階

  • 一次判定 ― 調査で集めた74項目の結果をコンピュータで処理し、区分の案を出します
  • 二次判定 ― 保健・医療・福祉の専門家が集まる介護認定審査会が、一次判定の案と、調査員が書いた特記事項、主治医意見書を見て決定します

一次判定は、似た状態の高齢者の統計から介護量を推計する仕組みです。そのため、統計になじまない個別の事情は、二次判定で拾うという役割分担になっています。

申請する場所と必要なもの

申請先は、お住まいの市区町村の介護保険の窓口です。どこに行けばよいか分からないときは、地域包括支援センターでも相談できます。

申請書に書く内容は、介護保険法施行規則の第35条で決まっています。

  • 氏名、性別、生年月日、住所、個人番号(マイナンバー)、医療保険の被保険者番号など
  • 主治医がいるときは、その医師の氏名と、病院や診療所の名称・所在地
  • 40歳から64歳の人は、要介護状態の原因である特定疾病の名称

これに介護保険の被保険者証を添えて提出します。

見落としやすいのが主治医の欄です。市区町村はここに書かれた医師に意見書を求めるので、申請の前に、どの医療機関のどの医師に書いてもらうかを決めておくと手続きが止まりません。しばらく受診していない場合は、先に受診しておくほうが進みます。

誰が申請できるか

本人のほか、居宅介護支援事業者や地域包括支援センターなどが、手続きを代わって行えます。施行規則では、この場合に申請書へ「提出代行者」と表示することになっています。

家族が代わりに提出できるかどうかは、市区町村によって扱いが異なります。窓口に確認してください。本人が外出できない状態であれば、まず地域包括支援センターに相談すると、申請から調査までの段取りを含めて進めてもらえます。

本人が入院している場合の進め方は、入院中でも要介護認定を申請できる?でまとめています。

訪問調査で見られること

市区町村の職員か、委託を受けた調査員が本人に面接し、基本調査74項目を確認します。原則として1回で終わります。

項目は3つの見方に分かれています。

  • 能力 ― できるかできないか(寝返り、立ち上がり、視力、聴力、短期記憶など)
  • 介助の方法 ― 実際にどんな介助が行われているか(食事、排泄、入浴、洗身など)
  • 障害や現象(行動)の有無 ― その行動がどのくらいの頻度で起きているか

能力の項目は、危険がなければ実際にやってもらって確認します。その場でできた動作と普段の様子が違うときは、調査日からおおむね過去1週間のうち、より多く見られる状況で判断することになっています。行動に関する項目は、おおむね過去1か月が対象です。

家族が同席する意味

調査のとき、本人が実際よりしっかり受け答えすることは珍しくありません。短時間の面接では普段の様子が出にくいためです。

テキストは、その場の状況と日頃の状況が違う場合、聞き取りをして、具体的な内容を「特記事項」に記載するとしています。この特記事項が、二次判定で使われます。

そのため、家族が同席して普段どうなのかを、そのまま伝えることに意味があります。大げさに言う必要はありません。審査会で見られるのは「どんな手間が、どのくらいの頻度で発生しているか」なので、具体的に話すほうが伝わります。

伝わりにくい言い方 伝わる言い方
物忘れがひどいです 薬を飲んだことを忘れるので、毎食後に声をかけて見ています
夜に困っています 週に3回ほど夜中に起きて外に出ようとするので、その都度付き添っています
歩けません 家の中は壁をつたって歩きますが、外出時は必ず手を貸しています

なお、住まいの環境や家族構成そのものを理由に区分を変えることは認められていません。テキストは、調査票の「置かれている環境等」の欄について「置かれている環境等を根拠に二次判定での変更を行うことは認められておらず、あくまで参考の情報として扱う」としています。見られるのは、あくまで介護の手間です。

主治医意見書

主治医意見書は、家族が用意するものではありません。介護保険法の第27条第3項で、市区町村が主治医に意見を求めることになっています。申請書に医師名を書けば、市区町村から依頼が行きます。

かかりつけの医師がいない場合については、同じ条文のただし書きに定めがあります。市区町村が指定する医師の診断を受けるよう命じることができる、という扱いです。

この意見書は、二次判定で重い役割を持ちます。テキストは「一次判定の変更には、特記事項または主治医意見書に記載されている介護の手間を根拠とすることが必須の条件といえる」としています。

逆に言えば、どちらにも書かれていない事情は、審査会に伝わりません。受診の際に、家庭でどのような介助が必要になっているかを医師にも伝えておくと、本人の普段の状態を共有する助けになります。

要支援と要介護の区分

結果は次のいずれかです。

区分 使えるもの 計画を作る人
非該当(自立) 市区町村の総合事業など ―
要支援1・2 介護予防サービス、総合事業 地域包括支援センター
要介護1〜5 介護サービス(介護給付) ケアマネジャー

要支援と要介護では、相談する窓口が変わります。認定結果の通知に区分が書かれているので、どちらに連絡すればよいかは、結果が届いてから決めて問題ありません。

数字が大きいほど、介護の手間が多いと判定されたことを意味します。非該当でも、市区町村の総合事業が使える場合があります。内容は市区町村ごとに違うので、結果が非該当だったときは窓口で確認してください。

結果が出るまで

介護保険法の第27条第11項は、申請に対する処分を申請日から30日以内にしなければならないと定めています。

ただし、調査に日時を要するなど特別な理由がある場合は、30日以内にどのくらいかかる見込みかと、その理由が通知されて延びます。実際に30日を超えることはあります。

結果を待つ間について、知っておくとよい点が2つあります。

  • 認定は申請のあった日にさかのぼって効力を生じます(第27条第8項)。待っている期間が無駄になるわけではありません
  • 急いでサービスを使う必要があるときは、暫定的なケアプランで利用を始める方法があります。ただし認定結果によっては自己負担が生じる可能性もあるため、市区町村やケアマネジャーに相談して進めます

認定には期限がある

認定は一度受ければ続くものではありません。施行規則では、新しく受けた認定は原則6か月、その後の更新は原則12か月とされています。市区町村が認定審査会の意見に基づいて必要と認めた場合は、この期間が前後します。

更新のとき、同じ区分が続く場合は最長48か月まで設定できる仕組みもあります。期限が切れるとサービスが使えなくなるので、更新の案内が届いたら早めに手続きします。

結果に納得できないとき

思っていたより軽い区分だった、という場合に取れる方法が3つあります。

  1. 市区町村の窓口に説明を求める ― どの調査結果がどう評価されたのかを確認します。調査票や意見書の開示を受けられる場合があります
  2. 区分変更の申請をする ― 介護保険法の第29条で、現在の区分以外に該当すると認めるときは、変更の認定を申請できると定められています
  3. 審査請求をする ― 第183条で、要介護認定に関する処分に不服がある場合は介護保険審査会に審査請求できるとされています。介護保険審査会は都道府県に置かれています

実務では、状態が変わったのであれば区分変更、判定の手続きそのものに不服があるなら審査請求という使い分けになります。どちらにするか迷うときは、ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談してください。

また、申請から認定までの間に状態が大きく変わった場合も、区分変更の対象になります。

まとめ

  1. 決まるのは介護の手間の総量。診断名が重いほど要介護度が高くなる仕組みではない
  2. 申請書に主治医名を書く。先にどの医師に書いてもらうかを決めておくと手続きが止まらない
  3. 調査は74項目。その場の様子と普段が違うときは、過去1週間(行動は1か月)のより多い状況で判断される
  4. 一次判定を変更する場合は、特記事項や主治医意見書に記載された具体的な介護の手間が重要な根拠になる。普段の介助を具体的に伝える
  5. 結果は30日以内が原則。効力は申請日にさかのぼる。認定には期限があり、新規は原則6か月
  6. 納得できないときは、窓口への説明の求め、区分変更の申請、介護保険審査会への審査請求。

介護保険制度や介護報酬は改正されることがあります。このページは2026年10月時点で確認できる法令・厚生労働省資料に基づいています。認定調査や申請書類の細かい運用は市区町村によって異なる部分があるため、手続きの際はお住まいの市区町村の案内もあわせて確認してください。

情報源:介護保険法第27条・第28条・第29条・第183条、介護保険法施行規則第35条・第38条・第40条、厚生労働省「認定調査員テキスト2009改訂版」(令和6年4月改訂)、厚生労働省「介護保険制度の概要」(令和7年7月)

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