暮らし・人間関係

孤独感を和らげる具体的な対処法7選|心の健康を守る秘訣

孤独感は、1人で過ごしているかどうかだけでは決まりません。内閣府の調査では、同居している人がいても3.4%、配偶者がいても2.4%の人が孤独感を「しばしばある・常にある」と答えています。一方で気軽に話せる相手がいない人では25.0%と、10倍の差がありました。この記事では、この調査から見える傾向と、いまできることを順にまとめます。

孤独感がある人は約4割

内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)」は、全国の16歳以上2万人を対象にした国の調査です(2025年12月1日現在・有効回答11,873人・統計法に基づく一般統計調査)。

「あなたはどの程度、孤独であると感じることがありますか」という設問への回答は次のとおりです。

孤独感 割合
しばしばある・常にある 4.5%
時々ある 13.7%
たまにある 19.5%
ほとんどない 41.6%
決してない 19.6%

「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」を合わせると約4割になります。令和6年と比べると「時々ある」が縮小し、「決してない」が拡大しました。

孤独感があること自体は、珍しい状態ではありません。この前提から始めるほうが、対処を考えやすくなります。

差が大きいのは「話せる相手がいるか」

属性ごとに「しばしばある・常にある」の割合を見ると、もっとも差が開いたのは相談相手の有無でした。

区分 いる いない
気軽に話せる相手 2.5% 25.0%
相談相手 2.5% 23.4%
頼れる人 2.7% 25.1%
同居している人 3.4% 9.8%
配偶者(有配偶/未婚) 2.4% 9.0%

同居している人がいるかどうか(3.4%と9.8%)や、配偶者がいるかどうか(2.4%と9.0%)でも差は出ていますが、話せる相手の有無のほうが差は大きくなっています。

ただし、この調査はある時点の状態を調べたものです。「話せる相手ができれば孤独感が減る」という因果を示したものではありません。読み取れるのは、両者が関連しているという事実までです。

一緒に食事をとる頻度

同じ調査は、誰かと一緒に食事をとる頻度(共食)も聞いています。

誰かと一緒に食事をとる頻度 孤独感が「しばしばある・常にある」
ほとんど毎日 2.7%
週に4〜5日 4.8%
週に2〜3日 5.1%
週に1日程度 3.7%
月に1〜2日程度 5.1%
ほとんどない 17.3%

「ほとんど毎日」と「ほとんどない」で6倍以上の差があります。ただし間の区分では、はっきりした段階的な差は出ていません。読み取れるのは「まったく無い状態が突出して高い」ということで、回数を増やせば比例して下がる、という話ではありません。

年齢と性別

孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人の割合は、30歳代が6.1%で最も高く、40歳代と50歳代が5.7%と続きます。70歳代は2.5%、80歳以上は3.0%で、高齢層のほうがむしろ低くなっています。

男女別では男性5.3%、女性3.7%です。男女と年齢を合わせて見ると、男性は50歳代(7.6%)、女性は30歳代(5.7%)で高くなっています。

心身の健康状態との関係も出ています。健康状態が「よくない」と答えた人では32.9%、「よい」と答えた人では0.8%でした。経済的な暮らし向きが「大変苦しい」と答えた人では14.7%です。

年齢を重ねるほど孤独になる、という形にはなっていません。働く世代で高く出ているのが、この調査の結果です。

いまできること

調査から直接言えるのは関連までですが、手をつけられる項目は見えます。

  • 話せる相手を1人に集中させない(1人に全部を求めると、その関係の負荷が大きくなります)
  • 連絡の頻度を決めておく(用事がないと連絡しない形だと、間隔が開いていきます)
  • 一緒に食事をとる機会を作る(毎日でなくてよく、「まったく無い」状態を避ける形で)
  • 体調を先に整える(健康状態が「よくない」人では割合が大きく高くなっています)

同じ調査では、同居していない家族や友人たちと直接会って話すことが「全くない」と答えた人が9.7%でした。また、いずれかの社会活動に参加している人は45.8%、「特に参加はしていない」が53.3%です。

対処法を7つに分ける

調査から読み取れる関連と、実行のしやすさを組み合わせると、手をつけられるものは次の7つに整理できます。

1. 話せる相手を1人決めて、定期的に連絡する
用事があるときだけ連絡する形だと、間隔が開いていきます。月に1回など頻度を決めておくと、理由がなくても連絡できます。相手は家族でも友人でも構いません。

2. 一緒に食事をとる機会を作る
調査では、共食が「ほとんどない」人で孤独感の割合が突出して高くなっていました(17.3%)。毎日である必要はなく、「まったく無い」状態を避ける形で十分です。同居していない相手とでも、外食や持ち寄りの形があります。

3. 社会活動に1つ参加してみる
調査では、いずれかの社会活動に参加している人は45.8%でした。趣味の集まり、地域の行事、ボランティアなど種類は問いません。続けられるかどうかは、1回参加してから判断すれば足ります。

4. 体調を先に整える
心身の健康状態が「よくない」と答えた人では、孤独感が「しばしばある・常にある」割合が32.9%でした。「よい」と答えた人は0.8%です。体調が崩れている時期は、関係づくりより先にそちらを扱う場面です。

5. 1人で過ごす時間と、孤独感を分けて考える
調査では、同居している人がいても3.4%が孤独感を「しばしばある・常にある」と答えています。1人の時間が多いことと、孤独を感じることは同じではありません。1人で過ごす時間そのものを減らそうとすると、かえって疲れることがあります。

6. 相談先を先に調べておく
困ってから探すと、選択肢を調べるところから始めることになります。自治体の窓口、国の相談窓口、職場の相談先。使うかどうかは別として、どこに何があるかだけ見ておきます。

7. 「自分だけ」と考えない
調査では約4割が何らかの孤独感があると答えています。珍しい状態ではないという前提に立つだけでも、相談のハードルは下がります。

話を聞いてもらうときに

相談するときに、何から話せばよいか分からないことがあります。形を決めておくと切り出しやすくなります。

  • 解決してほしいのか、聞いてほしいのかを先に言う(「助言はいらないので聞いてほしい」と伝えてよい場面です)
  • 長く話さなくてよい(全部を説明しようとすると、話し始めるまでの負担が大きくなります)
  • 状況より、いまの状態を言う(経緯の説明に時間を使うと、肝心の部分まで届きません)
  • 相手を選ぶ(その話題について、評価や助言をしてくる相手は避ける、という選び方もあります)

相手の側にも都合があります。断られたことを、関係の問題として受け取らないほうが続きます。タイミングが合わないだけのこともあります。

相談することへの考え方

日常生活に不安や悩みを感じている人のうち、行政機関やNPOなどからの支援を「受けていない」と答えた人は87.0%でした。理由としてもっとも多かったのは「支援が必要ではないため」で63.1%です。

一方で、「まわりに不安や悩みを抱えている人がいたら、積極的に声掛けや手助けをしようと思う」と答えた人は48.4%でした。

必要だと感じていない段階で窓口を調べる人は少ない、ということでもあります。困ってから探すと、選択肢を調べるところから始めることになります。状態が軽いうちに、どこに何があるかだけ見ておくと、必要になったときに動きやすくなります。

社会活動への参加を考えるとき

調査では、いずれかの社会活動に参加している人が45.8%、「特に参加はしていない」が53.3%でした。参加していない人のほうがやや多い状態です。

参加を考えるときに迷いやすいのは、続けられるかどうかの部分です。次のように考えると、始めるハードルが下がります。

  • 1回だけ参加できるものを選ぶ(継続が前提の会は、合わなかったときに抜けにくくなります)
  • 役割のない立場で入る(最初から運営側に回ると、負担が先に来ます)
  • 知り合いを作ることを目的にしない(その場で過ごせれば十分、という前提にしておきます)
  • 合わなければやめてよい(続かなかったことを、自分の問題として扱わないほうが次に動けます)

また、同じ調査では「まわりに不安や悩みを抱えている人がいたら、積極的に声掛けや手助けをしようと思う」と答えた人が48.4%でした。約半数がそう答えているという事実は、相談を持ちかける側の材料にはなります。ただし、実際に声をかけてもらえるかどうかを示したものではありません。

やらないほうがよいこと

孤独感への対処として語られるもののうち、注意が要るものもあります。

  • 予定を詰めて埋める(人と会う回数を増やしても、話せる関係でなければ消耗が増えます)
  • 飲酒で紛らわす(睡眠の質にも関わります)
  • 「孤独なのは自分だけ」と考える(調査では約4割が何らかの孤独感を答えています)
  • 関係を一度に作ろうとする(短期間で変えようとすると、うまくいかなかったときの負担が大きくなります)
  • SNSの反応で判断する(反応の数は、話せる相手がいるかどうかとは別の指標です)

人と会う回数を増やすことと、話せる相手を持つことは別です。調査で差が大きかったのは「気軽に話せる相手がいるか」という項目で、会う頻度ではありません。予定を埋めることを目的にすると、消耗だけが増えることがあります。

数字をどう受け取るか

この調査は、ある時点で聞き取った状態を集計したものです。「話せる相手を作れば孤独感が下がる」という因果を示したものではありません。孤独感があるために人と会う機会が減っている、という向きも考えられます。

それでも、属性ごとの差は手がかりになります。配偶者や同居人の有無より、話せる相手の有無のほうが差が大きいという結果は、関係の数より、中身のほうを見る材料にはなります。

また、年齢で見ると高齢層より働く世代のほうが高く出ています。「高齢になると孤独になる」という一般的な印象とは違う形です。自分の状態を、年齢や立場から推測せずに見るほうが実態に近づきます。

状態が続くときは

厚生労働省は、気分の落ち込みや睡眠の問題などの症状が2週間以上続く場合には「うつ」が疑われるとして、専門家(精神科、心療内科)に早めに相談することをすすめています。

自治体の相談窓口や、厚生労働省の「こころの耳」の電話・SNS・メール相談も使えます。眠れない、食べられない、仕事や家事が手につかないといった状態が続いているなら、工夫を増やす段階ではありません。

まとめ

  1. 孤独感がある人は約4割。「しばしばある・常にある」は4.5%
  2. 差が大きいのは話せる相手の有無。いる人2.5%に対し、いない人は25.0%。ただし因果は示されていない
  3. 共食は「まったく無い」が突出して高い(17.3%)。間の区分では段階的な差は出ていない
  4. 30歳代6.1%が最も高く、70歳代は2.5%。年齢を重ねるほど高くなる形ではない
  5. 支援を受けていない人は87.0%、理由の最多は「支援が必要ではないため」63.1%。困る前に窓口を見ておく

情報源:内閣府孤独・孤立対策推進室「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果のポイント」(正式名称「人々のつながりに関する基礎調査」・統計法に基づく一般統計調査・調査期日2025年12月1日・有効回答11,873人・2026年4月14日公表)図1〜図10および属性別結果、厚生労働省「こころの耳」ストレス軽減ノウハウ

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