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「年金が止まります」の自動音声電話は詐欺の典型手口

「年金が止まります」の自動音声電話は詐欺の典型手口

実家の電話に「日本年金機構です。書類の提出確認が取れないため、年金の支給が止まります」――そんな自動音声が流れてきたことはありませんか?この自動音声に続いて「ダイヤル1を押してください」と指示し、個人情報を聞き出そうとする手口が2026年に入って全国的に広がっています。警察庁は2026年5月、日本年金機構や年金事務所を名乗る詐欺として正式に注意喚起しました。この記事では、警察庁・日本年金機構の発表をもとに、手口の流れ・見分け方・正しい対処法を解説します。

1. 「年金が止まります」の自動音声電話は詐欺の典型手口

日本年金機構や年金事務所の職員を名乗り、自動音声ガイダンスで「書類の提出確認が取れないため、手続きしないと年金の支給が止まる」などと流す電話が、2026年に入って全国的に増加しています。警察庁は2026年5月1日、こうした手口を「日本年金機構や年金事務所を名乗る詐欺」として正式に注意喚起しました。

結論からお伝えします。日本年金機構や年金事務所が、自動音声ガイダンスで年金の支給停止や差し止めを案内することはありません。これは日本年金機構が公式に明言している事実です。

2026年5月、警察庁が正式に注意喚起

警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページでは、この詐欺について次のように説明されています。

日本年金機構や年金事務所の職員を名乗る自動音声ガイダンスで「書類の提出確認が取れないため、手続きしないと年金の支給が止まる」等と流れ、ダイヤル操作や折り返しの電話を指示し、個人情報を聞き出そうとする不審な電話が増加しています。
出典:警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ(2026年5月1日)

「年金が止まる」と言われると、特に高齢の方は強い不安を感じます。その不安を利用して、ダイヤル操作を促し、個人情報を盗み出すのがこの詐欺の特徴です。

2. 日本年金機構が公式に「やらない」と明言していること

日本年金機構は、職員や委託事業者を名乗る不審な電話への注意喚起の中で、次のことは公式に「行わない」と明言しています。

日本年金機構が電話で絶対にしないこと

  • 自動音声ガイダンスを使って連絡をする
  • 年金の支給停止や差し止めを案内する
  • 電話や訪問で預貯金額・口座番号・暗証番号などをお聞きする
  • 電話や訪問で年齢・家族構成などの個人情報をお聞きする
  • 銀行振込やATM操作を案内する
  • 払い戻しがあるとして金融機関へ誘導する

つまり、これらが電話で出てきた時点で、その電話は本物の年金機構や年金事務所のものではないと判断できます。

年金証書の再発行も手数料は無料

日本年金機構によると、職員が行う公的年金の手続き・年金証書などの再発行には手数料は一切かかりません。「手数料が必要です」「振込手数料を負担してください」といった案内があれば、それも詐欺を疑う材料になります。

3. 自動音声電話の典型的な流れ

「年金が止まる」と告げる自動音声電話は、おおよそ以下の4ステップで被害者を追い込みます。

ステップ1:自動音声で「年金支給が止まる」と告げる

電話を取ると、機械的な自動音声で次のような内容が流れます。

  • 「日本年金機構です。書類の提出確認が取れないため、手続きしないと年金の支給が止まります
  • 年金受給額の確認書類が返送されていないため、このままでは年金が止まります」
  • 「案内にしたがって番号を押してください」

機械的な音声で淡々と「年金が止まる」と告げられると、本物の機関からの連絡だと感じやすくなります。これが第一段階の罠です。

ステップ2:ダイヤル操作で「担当者」につながせる

「詳しい内容については、1番を押してください」「担当者にお繋ぎするには、9番を押してください」と指示されます。ここで番号を押すと、日本年金機構を名乗る人物に電話がつながります。

ステップ3:個人情報を聞き出される

つながった「担当者」は、丁寧な口調で次のような個人情報を聞き出してきます。

  • 氏名・生年月日・住所
  • 基礎年金番号・マイナンバー
  • 家族構成・同居人の有無
  • 金融機関名・口座番号
  • 場合によっては暗証番号まで

「本人確認のため」「年金記録の照合のため」などと理由をつけて聞き出してきます。本物の年金機構は電話でこうした情報を聞くことはありません。

ステップ4:金融機関への誘導や折り返し電話の指示

個人情報を聞き出した後、「払い戻しがあるので金融機関へ行ってください」「折り返しこちらの番号にお電話ください」と誘導され、結果的に金銭被害へとつながっていきます。

4. 自動音声詐欺の見分け方:5つのチェックポイント

年金詐欺の自動音声電話を見抜くために、以下の5つを確認しましょう。一つでも当てはまれば、詐欺の可能性が高いケースとして考えてください。

チェック1:自動音声ガイダンスで年金関連の案内が流れる

日本年金機構や年金事務所が、自動音声ガイダンスで個別の利用者に電話することはありません。自動音声が流れた時点で、詐欺を疑うポイントとなります。

チェック2:「年金が止まる」と不安を煽る

「支給が止まる」「差し止めになる」など、年金受給者にとって最も不安な言葉で焦らせるのが特徴です。本物の手続きの不備があれば、まず書類で通知されるのが一般的な流れです。

チェック3:ダイヤル操作や折り返し電話を促される

「1番を押してください」「こちらの番号におかけ直しください」と指示された場合は要注意です。本物の年金事務所が、こうした操作を電話で促すことはありません。

チェック4:電話で個人情報を聞かれる

電話口で基礎年金番号・マイナンバー・口座番号・暗証番号・家族構成などを聞かれた時点で、詐欺の可能性が高いと考えてください。本物の年金機構は、電話でこれらの情報を聞き出すことはありません。

チェック5:見覚えのない国際電話番号からの着信

日本年金機構は「特に見覚えのない国際電話の番号等には出ない、折り返さないように」と注意喚起しています。警察庁によると、特殊詐欺に利用された電話番号のうち、約半数が国際電話番号という統計もあります。

5. やってはいけない3つの行動

年金詐欺の被害を防ぐために、やってはいけないこと
① 自動音声の指示通りにダイヤル操作をする
② 電話口で個人情報(基礎年金番号・口座番号など)を答える
③ 相手が言ってきた番号に折り返し電話をかける

特に重要なのは、最初の「ダイヤル操作をしない」という1点です。ダイヤルを押した時点で「担当者」に電話がつながり、そこから個人情報の詐取が始まります。自動音声で年金の話が流れたら、何も操作せずに電話を切るのが、被害を防ぐ最初の一歩です。

6. 正しい対処法

日本年金機構や年金事務所を名乗る電話があった場合の正しい対処法を、順を追って紹介します。

対処1:自動音声が流れたら何もせずに切る

「年金が止まる」「書類が届いていない」といった自動音声が流れたら、ダイヤル操作も折り返しもせず、そのまま電話を切るのが最も安全です。本物の連絡であれば、後日書類で通知が来ます。

対処2:相手が言ってきた番号にはかけ直さない

「こちらにかけ直してください」と言われた番号には、かけ直さないでください。その番号は犯人グループのものである可能性があります。

対処3:確認したいときは自分で調べた連絡先へ

本当に年金関連で連絡があるかどうか心配な場合は、日本年金機構公式サイトに掲載されているねんきんダイヤルや、お近くの年金事務所の代表番号に自分から連絡してください。

  • ねんきんダイヤル:0570-05-1165(ナビダイヤル)
  • 050で始まる電話番号からは:03-6700-1165
  • お近くの年金事務所の代表番号は、日本年金機構公式サイトで確認できます

対処4:家族に相談する

少しでも不安に感じたら、子どもや配偶者、近所の信頼できる人に相談してください。「家族に相談する」と一言伝えるだけで、犯人は深追いしないケースが多いとされています。

7. 家族と一緒に守るために

年金詐欺の自動音声電話は、年金を受給している高齢の方に集中して狙いをつけています。実家のお父さん・お母さんを守るために、帰省したときや電話したときに、ぜひ次の3つを伝えてあげてください。

実家の親に伝えたい3つのこと

  1. 年金が止まります」と自動音声が流れたら、何も押さずに電話を切る
  2. 相手が言ってきた番号にはかけ直さず、ねんきんダイヤルか年金事務所の代表番号に自分で電話する
  3. 少しでも迷ったら、必ず家族に相談する(電話番号をすぐ見える場所に貼っておくと安心)

事前にできる予防策

家族で次のような予防策を相談しておくと、いざという時に冷静に行動しやすくなります。

  • 固定電話に留守番電話設定をして、すべての着信を一度録音する
  • ナンバーディスプレイを契約して、知らない番号には出ない習慣をつける
  • 国際電話の着信ブロックを申し込む(海外からの詐欺電話を防げます)
  • 連絡できる家族の電話番号とねんきんダイヤルを電話の近くに貼っておく

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8. もし被害に遭ってしまったら

すでに個人情報を伝えてしまった、または金銭を送ってしまった場合は、すぐに次の対応をしてください。1分でも早い対応が、被害の拡大を防ぐことにつながります

対応1:すぐにねんきんダイヤルへ連絡

個人情報(基礎年金番号など)を伝えてしまった場合は、ねんきんダイヤル(0570-05-1165)に連絡して状況を伝えてください。年金記録の不正利用を防ぐための対応を案内してもらえます。

対応2:警察相談専用電話「#9110」または110番に電話

  • すでに金銭を送ってしまった場合は110番(警察)にかけて被害届を出す準備をしましょう
  • 事件として扱うべきか迷う段階では「#9110」(警察相談専用電話)に電話
  • 受付時間:平日午前8時30分〜午後5時15分(地域により異なる)

対応3:消費者ホットライン「188」も活用

金銭トラブルや消費者問題の観点からは、消費者ホットライン「188」(いやや)に相談できます。最寄りの消費生活センターにつながり、専門の相談員がアドバイスしてくれます。

対応4:金融機関への連絡

口座番号を伝えてしまった場合は、取引している金融機関に連絡して、口座の監視強化や暗証番号の変更を依頼してください。

まとめ:覚えておきたい3つのポイント

  • 年金が止まります」と自動音声で電話が来たら、それは詐欺の典型手口
  • 日本年金機構は自動音声ガイダンスで個別連絡や支給停止案内を行わない(日本年金機構公式)
  • 不安ならねんきんダイヤル(0570-05-1165)か年金事務所の代表番号に自分で電話する

年金詐欺は「お金が止まる」という不安で判断力を奪うのが特徴です。仕組みを知っているかどうかで、防げるかどうかが大きく変わります。

この記事を家族のLINEに送って、実家のお父さん・お母さんにも読んでもらってください。たった5分の確認が、大切な個人情報や財産を守るきっかけになります。

情報源:警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ「日本年金機構や年金事務所を名乗る詐欺に注意!」(2026年5月1日)日本年金機構「日本年金機構の職員や委託事業者などと称して、現金を詐取する『不審な電話や訪問』にご注意ください」、各自治体の公式注意喚起、警察相談専用電話「#9110」、消費者ホットライン「188」

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