暮らし・人間関係

仕事と家庭を両立させるための時間管理術とは?成功事例から学ぶ効率的な方法

時間管理術を試す前に、自分の家庭で時間がどう配分されているかを見たほうが早いことがあります。総務省の社会生活基本調査では、6歳未満の子どもがいる夫婦の家事関連時間は夫が1日1時間54分、妻が7時間28分でした(2021年・週全体)。差は5時間34分です。この記事では、この数字をもとに、配分を確かめる手順、優先順位の決め方、分担の話し合い方、自分の時間の作り方を順にまとめます。

まず、家庭の中で時間がどう配分されているかを見る

総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」は、5年ごとに生活時間を調べている国の調査です。6歳未満の子どもがいる夫婦の世帯について、家事・育児・介護・買い物を合わせた「家事関連時間」は次のようになっています(1日あたり、週全体の平均)。

2021年・1日あたり 夫 妻
家事関連 合計 1時間54分 7時間28分
家事 30分 2時間58分
育児 1時間5分 3時間54分
買い物 18分 33分
介護・看護 1分 3分

ここで見ておきたいのは、合計の差だけではありません。夫の1時間54分のうち、1時間5分は育児です。掃除・洗濯・料理といった家事は30分で、妻の2時間58分とは6倍近く違います。合計だけを見るか内訳まで見るかで印象が変わるため、こうした違いが家庭内で認識のずれにつながる可能性もあります。

自分の家庭がこの平均に近いかどうかは、実際に測らないと分かりません。1週間、家事と育児にかかった時間をスマートフォンのメモに書き出すだけで、どこに時間が集中しているかが見えます。順番としては、工夫を試すより先にこの記録です。

20年の推移から分かること

同じ調査の20年分を並べると、変化の方向がはっきりします。

6歳未満の子がいる世帯・家事関連時間 2001年 2011年 2021年
夫 48分 1時間7分 1時間54分
妻 7時間41分 7時間41分 7時間28分

夫は20年で1時間6分増えました。直近の5年でも、2016年の1時間23分から31分増えています。一方で妻は20年で13分しか減っていません。夫が増えた分だけ妻が減る、という動き方はしていないということです。

理由のひとつは育児時間です。妻の育児時間は2001年の3時間3分から2021年は3時間54分へ、51分増えています。家事(3時間53分→2時間58分)は減っていますが、その分が育児に移っている形です。

つまり、片方が工夫して短縮しても、家庭全体の総量は簡単には減っていません。時間管理術を個人の努力の話として始めると、この壁に当たります。減らせるものを探すのと同時に、誰がどれを担っているかも一緒に見直す必要があります。

優先順位を決める:締切があるものから固定する

やることを全部書き出しても、優先順位はつきません。判断しやすいのは「動かせない予定から先に埋める」という順序です。

  • 日時が決まっていて動かせないもの(保育園の送迎、通院、学校行事、締切のある仕事)を先にカレンダーへ入れる
  • やる日を選べるもの(掃除、買い出し、書類の整理)は、空いた枠に後から置く
  • やらなくても困らないものは、いったん外して様子を見る

この順で置くと、1日の中に何も入らない時間がどれだけあるかが見えます。タイムブロッキング(時間帯ごとに作業を割り当てる方法)を使う場合も、先に固定するのは動かせない予定のほうです。空き枠に細かい作業を詰めすぎると、予定が1つずれただけで全部崩れます。

カレンダーアプリは、家族と共有できるものを1つに絞ったほうが機能します。夫婦で別々のアプリを使っていると、予定の重複に気づくのが当日になります。

分担を決める:家事の種類ごとに担当を決める

「気づいたほうがやる」という決め方は、時間の偏りを直しません。先ほどの内訳のとおり、夫の家事は30分で、育児より短いのが平均的な姿です。分担を変えるなら、家事の種類ごとに担当を決めるほうが早く動きます。

  • 毎日発生するもの(食事の支度、洗い物、洗濯、風呂掃除)から先に割り振る。ここが時間の大半を占めています
  • 名前のつかない仕事(在庫の確認、日用品の補充、予定の把握、持ち物の準備)も1つずつ書き出して担当を決める。抜けやすいのはこの種類です
  • 週末にまとめてやるものは、曜日と担当を決めておく

決めた後は、1か月くらい様子を見てから見直します。最初から完璧な配分にしようとすると話し合いが長引き、結局元に戻ります。

自分の時間を確保する

予定を詰めきってしまうと、うまく回っているときでも余裕がなくなります。1日15分でも、何も予定を入れない時間をカレンダーに先に置いておくほうが続きます。動かせない予定と同じ扱いで枠を取る、という意味です。

働き方の面では、テレワークという選択肢もあります。ただし同じ調査では、テレワーク(在宅勤務)をした人の割合は有業者全体で6.7%、最も高い25〜34歳でも9.9%でした(2021年・平日)。制度として選べる人はまだ限られている、という前提で考えたほうが現実的です。

まとめ

  1. 工夫を試す前に、1週間の配分を記録する。6歳未満の子がいる世帯の平均は夫1時間54分・妻7時間28分。自分の家庭がどこにいるかは測らないと分からない
  2. 夫の1時間54分のうち家事は30分。合計だけでなく内訳を見ると、食い違いの理由が見えることがある
  3. 個人の時短だけでは総量は減らない。20年で妻の時間は13分しか減っていない。誰がどれを持つかを決め直すほうが効く
  4. 動かせない予定から先に埋め、空き枠に残りを置く。自分の時間も「動かせない予定」として先に取る

情報源:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果」結果の要約(2022年8月31日公表・調査日2021年10月20日)表1・表2・表3

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