要支援1で使えるサービスは、全国共通の「予防給付」と、市区町村が行う「総合事業」の2つに分かれています。ホームヘルパーとデイサービスは後者なので、内容や回数は地域によって違います。この記事では、それぞれで何が使えるのか、1か月に使える量、相談先をまとめます。
「週何回まで」と決まっているわけではない
最初に押さえておきたいのは、要支援1だから全国一律で「このサービスを週に何回」と決まっているわけではないということです。
使う内容と回数は、介護予防サービス計画(ケアプラン)で決まります。本人の状態、何に困っているか、住んでいる市区町村にどんなサービスがあるかによって変わります。
「要支援1なら週1回まで」と書いているページを見かけますが、それは一例であって、全国共通の決まりではありません。
使えるサービスは2つに分かれる
ここが分かりにくいところです。要支援1で使えるものは、仕組みの違う2つに分かれています。
| 予防給付 | 総合事業 | |
|---|---|---|
| 決めている人 | 国(全国共通) | 市区町村 |
| 名前 | 「介護予防」で始まる名称 | 訪問型サービス、通所型サービスなど |
| 中身 | 全国で同じ | 市区町村ごとに違う |
| 主なもの | 訪問看護、デイケア、ショートステイ、福祉用具など | ホームヘルパー、デイサービス |
意外に思われるのが最後の行です。要支援の人が使うホームヘルパーとデイサービスは、介護保険の全国共通のサービスではなく、市区町村が行う事業になっています。
これは平成26年の法改正によるもので、それまで予防給付にあった介護予防訪問介護と介護予防通所介護が、市区町村の事業へ移されました。現在の介護保険法に、この2つの名前はありません。
そのため、同じ要支援1でも、住んでいる市区町村によって受けられる内容や回数、料金が違います。
全国共通で使えるもの(予防給付)
介護保険法に定められている介護予防サービスです。名前はすべて「介護予防」から始まります。
- 家に来てもらう ― 介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防訪問入浴介護、介護予防居宅療養管理指導
- 通う ― 介護予防通所リハビリテーション(デイケア)
- 泊まる ― 介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)、介護予防短期入所療養介護
- 道具と住まいを整える ― 介護予防福祉用具貸与、特定介護予防福祉用具販売、住宅改修
- その他 ― 介護予防特定施設入居者生活介護、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護
一般的な通所型の介護予防サービスには、デイケア(介護予防通所リハビリテーション)があります。このほか、認知症の人を対象とする介護予防認知症対応型通所介護など、地域密着型の介護予防サービスもあります。
一方、一般のデイサービス(通所介護)は、次の総合事業のほうになります。名前が似ているので、相談するときは取り違えないようにしてください。
市区町村ごとに違うもの(総合事業)
正式には介護予防・日常生活支援総合事業といいます。介護保険法は、市町村が行う事業として次の3つを定めています。
- 訪問型サービス ― 自宅での日常生活上の支援。いわゆるホームヘルプにあたります
- 通所型サービス ― 施設での日常生活上の支援や機能訓練。いわゆるデイサービスにあたります
- 生活支援サービス ― 上記と一体的に行うと効果があると認められる支援
法律は枠組みだけを決めていて、具体的な中身は市区町村が決めます。そのため、次のような違いが出ます。
- 資格を持つ訪問介護員が来る形だけでなく、研修を受けた地域の担い手が来る形を用意している市区町村がある
- 短時間で安く利用できる区分を設けている市区町村がある
- 体操やサロンのような、通いの場を用意している市区町村がある
何が使えるかは、お住まいの市区町村で確認してください。他の地域の情報や、一般的な説明をそのまま当てはめることはできません。
要支援1では使えないもの
要支援1と要支援2で扱いが違うものがあります。代表的なのがグループホーム(介護予防認知症対応型共同生活介護)です。
介護保険法は、このサービスの対象を「厚生労働省令で定める要支援状態区分に該当する状態である者に限る」としていて、省令をたどると要支援2だけが対象になります。要支援1では利用できません。
また、特別養護老人ホームなどの介護保険施設は、要支援では利用できません。施設への入所を考える段階になったら、まず区分変更の申請を検討することになります。
1か月に使える量
予防給付には、1か月に使える上限があります。要支援1は5,032単位です。1単位を10円として計算すると、約50,320円分のサービスにあたります。要介護度ごとの上限は介護保険とはにまとめてあります。
ただし注意が必要です。
- 1単位の金額は地域とサービスの種類で変わります。この円換算額がそのまま上限になるわけではありません
- 総合事業のサービスをどう数えるかは、市区町村の定めによります。予防給付と合わせていくらまで使えるのかは、地域包括支援センターに確認してください
自己負担は原則1割で、所得によって2割か3割になります。どれにあたるかは、市区町村から届く介護保険負担割合証に書かれています。
まずは地域包括支援センターに相談する
要支援1・2の人の介護予防ケアプランは、地域包括支援センターのほか、市区町村から指定を受けた居宅介護支援事業所が担当する場合もあります。2024年4月から、指定を受けた居宅介護支援事業所も介護予防支援を直接行えるようになりました。
ただし、総合事業だけを利用する場合の「介護予防ケアマネジメント」は仕組みが異なります。どこが担当するか分からない段階では、まず地域包括支援センターに相談すれば案内してもらえます。
地域包括支援センターは、介護保険法に定められた総合的な相談窓口です。相談にもケアプランの作成にも、利用者の自己負担はありません。
その市区町村にどんな総合事業があるかを把握しているので、「何が使えるのか分からない」という状態でそのまま相談して構いません。
要支援2や要介護に変わったら
状態が変わったときは、区分変更の申請ができます。認定の有効期間の途中でも申請できます。手続きは要介護認定とはでまとめています。
要介護1から5になると、次のように変わります。
- ケアプランを作るのが居宅介護支援事業所のケアマネジャーになります(すでにその事業所が担当している場合は、同じ事業所が続けることもあります)
- ホームヘルパーとデイサービスが、総合事業から全国共通の介護保険サービス(訪問介護・通所介護)に変わります
- 1か月に使える上限が増えます
手続きや引き継ぎは、地域包括支援センターが案内してくれます。自分で段取りを組む必要はありません。
まとめ
- 要支援1だから全国一律で「週何回」と決まっているわけではない。ケアプランと、住んでいる市区町村で決まる
- 使えるものは予防給付と総合事業の2つに分かれる。名前が「介護予防」で始まるものは全国共通
- ホームヘルパーとデイサービスは総合事業。平成26年の法改正で市区町村の事業に移った
- 一般のデイサービスは総合事業。予防給付にはデイケアのほか、認知症対応型通所介護などもある
- 1か月の上限は5,032単位。総合事業の数え方は市区町村による
- 迷ったら地域包括支援センターに相談する。ケアプランは居宅介護支援事業所が担当することもある。相談もケアプランも自己負担はない
介護保険制度や介護報酬は改正されることがあります。このページは2026年10月時点で確認できる法令・厚生労働省資料に基づいています。総合事業の内容は市区町村ごとに異なるため、実際に使えるサービスはお住まいの市区町村または地域包括支援センターで確認してください。
情報源:介護保険法第8条の2・第115条の22・第115条の45、介護保険法施行規則第22条の20、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額(平成12年厚生省告示第33号)、厚生労働省「介護保険制度の概要」(令和7年7月)