サービス担当者会議は、ケアマネジャーがケアプランの原案をもとに、サービスを担当する事業所の人たちと話し合う会議です。国の基準は本人と家族の参加を基本としていますが、出席を義務づける書き方ではありません。仕事で行けないときは、日程の変更やオンラインでの参加を相談し、難しければ本人の希望や家族の心配ごとを事前にケアマネジャーに伝えておけます。この記事では、仕事で出られないときの動き方、会議で話すこと、家族が伝えておきたいこと、オンライン参加、会議の後の流れをまとめます。
サービス担当者会議に家族も出る?
サービス担当者会議は、ケアプランを作るときの国の基準(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準、平成11年厚生省令第38号)の第13条に定められた会議です。この基準は、会議をケアマネジャー(介護支援専門員)が「利用者及びその家族の参加を基本としつつ」開くもの、としています。
家族の参加は「基本」とされていて、大切にされています。ただし、出席を義務とする書き方にはなっていません。国の解釈通知(平成11年老企第22号。厚生労働省の令和6年改正資料)も、参加が望ましくない場合について、次のように書いています。
なお、利用者やその家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には、必ずしも参加を求めるものではないことに留意されたい。
出典:「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」(平成11年老企第22号)
家庭内での暴力が心配なときは、会議とは別に相談できる窓口があります。配偶者からの暴力は #8008 に電話すると、近くの配偶者暴力相談支援センターにつながります(内閣府男女共同参画局の案内)。高齢者への虐待が心配なときは、地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談できます。
仕事で参加できないときはどうする?
仕事などで家族が参加できない場合も、必ず仕事を休んで出席しなければならないわけではありません。次の順で相談してみてください。
- 日程を変えられないか、ケアマネジャーに相談する
- オンラインで参加できないかを相談する(下の「オンラインでも参加できる?」を参照)
- それも難しければ、本人の希望や家族の心配ごとを、事前にケアマネジャーに伝えておく
事前に伝えておけば、会議で取り上げてもらいやすくなります。
なお、家族が欠席することと、会議そのものを開かないことは別の話です。解釈通知は、やむを得ない理由があるときに限り、会議を開かずにサービス担当者への照会などで意見を求められるとしています。想定されているのは、サービス担当者の都合で参加が得られなかった場合や、本人の状態に大きな変化がない軽微な変更の場合などです。家族が欠席することだけを理由に、会議を省略できるとはされていません。
サービス担当者会議では何を話す?
会議では、ケアマネジャーが、ケアプランの原案に入れたサービスの担当者を集めて、本人の状況などの情報を共有し、原案の内容について、担当者から専門的な見地からの意見を求めます(第13条第9号)。
解釈通知は、本人やその家族、サービスの担当者からなる会議を開いて、各サービスが共通の目標に向けて具体的に何ができるかなどを話し合い、調整を図ることが重要だと説明しています。実際の場では、ケアマネジャーが原案を説明し、担当者が意見を述べ、本人や家族の考えも聞かれる、という流れになります。
ケアマネジャーの役割全体はケアマネジャーとはで説明しています。
家族が伝えておきたい4つのこと
会議で家族が何を話すべきかについて、基準や解釈通知に定めは見当たりません。ただ、ケアプランの原案には、「利用者及びその家族の生活に対する意向」を書くことになっています(第13条第8号)。家族の考えや心配ごとは、ケアプランを作るうえでの材料になります。
ここからは記事としての助言ですが、次の4つを会議の前にまとめておくと話しやすくなります。
- 本人がこれからどう暮らしたいと話しているか
- 家族が手伝えること、手伝えないこと(時間帯や曜日など)
- 最近の様子で気になっていること(食事、睡眠、転びやすさ、物忘れなど)
- サービスについての希望や、困っていること
会議の場で言いにくいことは、事前にケアマネジャーに伝えておく方法もあります。
いつ、誰が参加して開かれる?
参加するのは、主に次の人たちです。
- ケアマネジャー ― 会議を開き、進める
- 本人と家族 ― 参加が基本とされている
- サービスの担当者 ― ケアプランの原案に入れた訪問介護、デイサービス、福祉用具などの事業所の担当者
会議は、主に次のときに開かれます。
- ケアプランを作るとき
- 要介護認定を更新したときや、要介護状態区分が変わったとき ― ケアプランを変える必要があるかについて、担当者の意見を求める
- ケアプランを変更するとき
ただし、本人の希望によるサービスの日時の変更など、軽微な変更で、ケアマネジャーが必要ないと判断した場合は、会議を含めた一連の手続きを省けることが解釈通知に示されています。軽微かどうかは、個別の状況を踏まえてケアマネジャーが判断します。
認定の更新や区分の変更の手続きは、要介護認定とはで説明しています。
オンラインでも参加できる?
サービス担当者会議は、テレビ電話装置などを使って開くこともできます。ただし、本人や家族が参加する場合は、テレビ電話などを使うことについて、参加する本人や家族の同意を得る必要があります(第13条第9号「テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。」)。
解釈通知によると、ここでいうテレビ電話装置などは、リアルタイムで画像を介したやりとりができる機器のことで、使うときは個人情報の取扱いに関する国のガイダンスなどを守ることとされています。
会場に行くのが難しいときは、オンラインで参加できないかケアマネジャーに相談できます。逆に、オンラインでの参加が難しい、希望しないというときも、その旨をケアマネジャーに伝えてください。
会議の後、ケアプランはどうなる?
ケアマネジャーは、ケアプランの原案の内容について、介護保険の給付の対象になるかどうかを分けたうえで、本人か家族に説明し、「文書により利用者の同意を得なければならない。」とされています(第13条第10号)。同意するのは、利用者である本人です。同意したケアプランは、本人とサービスの担当者に交付されます(第11号)。
説明を聞いて分からないことや、納得できないことがあれば、本人が同意する前にケアマネジャーに聞いてください。手元に届いたケアプランは、サービスの内容や回数を確かめるときに使うので、とっておくと安心です。
会議の内容や、会議に代えて行った担当者への照会の内容は、ケアマネジャーの側で記録します。記録は国の基準で完結の日から2年間保存することとされていて(第29条)、市町村の条例で保存期間が長く定められている場合もあります。
ケアプランや担当のケアマネジャーのことで困ったときは、まずケアマネジャーに、話しにくければ地域包括支援センターや市区町村の介護保険の窓口に相談できます。担当を変えたいときはケアマネは途中で変更できる?で説明しています。
まとめ
- 国の基準は、本人と家族の参加を基本としている。ただし出席を義務とする書き方ではない
- 仕事で出られないときは、日程の変更やオンライン参加を相談する。難しければ、希望や心配ごとを事前にケアマネジャーに伝える
- 家族の欠席と、会議を開かないことは別。会議を照会で代えられるのは、やむを得ない理由があるときに限られる
- 会議では、ケアプランの原案について、担当者の意見を聞き、本人や家族の考えも聞かれる
- オンラインでも開ける。本人や家族が参加する場合は、参加する人の同意が要る
- ケアプランは説明を受けたうえで、本人が文書で同意し、交付を受ける
介護保険制度は改正されることがあります。このページは2026年11月2日時点で確認できる法令・厚生労働省の資料に基づいています。
情報源:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第8号・第9号・第10号・第11号・第15号・第16号・第29条、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」(平成11年7月29日 厚生省老人保健福祉局企画課長通知・老企第22号。厚生労働省の令和6年度改正の新旧対照表で確認)、内閣府男女共同参画局「配偶者暴力相談支援センター」(2026年11月2日確認)