「要介護1なら週に何回まで」という全国共通の決まりはありません。決まっているのは回数ではなく、1か月に使えるサービスの総量です。その枠をデイサービスだけに使うのか、訪問介護なども組み合わせるのかで、通える回数は変わります。この記事では、何で回数が決まるのか、要介護1の枠で計算するとどのくらいか、増やしたいときに何ができるかをまとめます。
「週何回まで」という決まりはない
要介護度ごとに決まっているのは、1か月に使えるサービスの量の上限です。これを区分支給限度基準額といい、単位という数え方で表されます。
要介護1の上限は16,765単位です。この枠の中であれば、何にどれだけ使うかは決まっていません。デイサービスに多く使ってもよいし、訪問介護と半分ずつでもかまいません。要介護度ごとの上限は介護保険とはにまとめてあります。
つまり、回数は制度ではなくケアプランで決まります。「要介護1は週2回まで」と書いているページを見かけることがありますが、それは目安であって、全国一律の上限ではありません。
では、何で決まるのか
実際の回数は、次の4つで決まります。
- 1か月に使える単位の枠 ― 要介護度で決まります。他のサービスと共有する枠です
- 本人の状態と必要性 ― ケアマネジャーが本人・家族と相談して、何をどのくらい使うかを組み立てます
- 事業所の空き状況と営業日 ― 希望の曜日に空きがないこともあります。土日を休みにしている事業所もあります
- 自己負担として払える額 ― 保険の自己負担に加えて、食事代などの実費がかかります
枠が残っていても、事業所に空きがなければ通えません。逆に、本人が行きたがらなければ回数を減らすことになります。制度上の限度額より先に、本人の状態や事業所の受け入れ状況で回数が決まることも多いです。
要介護1の枠で計算するとどのくらいか
目安をつかむために、単純計算をしてみます。通常規模の事業所を7時間以上8時間未満で利用する場合、要介護1は1回658単位です(令和8年6月時点)。サービスの内容や費用の決まり方はデイサービスとはでまとめています。
要介護1の限度額16,765単位を、仮にデイサービスだけで使うとすると、単純計算で約25回分になります。
ただし、実際にはこの使い方はしません。限度額は他の在宅サービスとも共有する枠で、加算も同じ枠から出ていきます。「要介護1なら月25回、週6回くらい通える」とは考えないでください。
他のサービスと組み合わせた場合
デイサービスの利用回数ごとに、枠をどのくらい使うかを見てみます。
| 通う回数 | 1か月の回数 | 使う単位(概算) | 要介護1の枠に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 週1回 | 4〜5回 | 約2,600〜3,300単位 | 約16〜20% |
| 週2回 | 8〜9回 | 約5,300〜5,900単位 | 約31〜35% |
| 週3回 | 12〜13回 | 約7,900〜8,600単位 | 約47〜51% |
週3回通っても、枠の半分ほどが残ります。残りを訪問介護や福祉用具の貸与などに充てる、という組み立てになります。
この計算はあくまで概算です。実際には次の分が加わります。
- 事業所が算定する加算 ― 入浴介助、個別機能訓練などの取り組みに応じて単位が加わります
- 事業所の規模と地域 ― 大規模な事業所では1回あたりの単位が下がり、都市部では1単位あたりの金額が上がります
そのため、「何回通えるか」はケアプランを作るときにケアマネジャーが計算します。自分で単位を計算して回数を決める必要はありません。
限度額を超えたらどうなる
枠を超えて使った分は、保険が使えず全額の支払いになります。1割ではなく10割です。
そのため、ケアプランは枠に収まるように組まれるのが普通です。超えそうなときは、ケアマネジャーから事前に説明があります。知らないうちに超えていた、ということは通常ありません。
なお、昼食代などの実費はもともと保険の対象外なので、この枠とは別に毎月かかります。
回数を増やしたいとき
家族の負担が重い、本人が家にいる時間を減らしたい、といった事情で回数を増やしたい場合、次の方法があります。
- ケアマネジャーに、増やしたい理由を具体的に伝える ― 「もう少し増やしたい」ではなく、どの曜日のどの時間帯が難しいのかを話すと、組み替えの案が出てきます
- 他のサービスとの配分を見直す ― 訪問介護を減らしてデイサービスを増やす、といった調整ができる場合があります
- 本人に合うなら、短時間利用に変える方法もある ― 要介護1の場合、7時間以上8時間未満は658単位ですが、3時間以上4時間未満なら370単位です
- 状態が変わっているなら、区分変更を検討する ― 認定を受けたときより重くなっているなら、要介護度が変われば枠そのものが増えます
- 保険外のサービスや市区町村の事業を使う ― 事業所が自費のサービスを用意している場合や、市区町村の生活支援サービスが使える場合があります
3つ目について補足します。利用時間が短い区分は1回あたりの単位が低いため、結果として同じ限度額の中で回数を増やせる場合があります。ただし、回数を増やすためだけに短時間へ変えるものではありません。本人の体力や利用目的に合うかをケアマネジャーと相談します。短時間の受け入れをしていない事業所もあります。
4つ目も、状態が実際に変わっている場合に限ります。回数を増やしたいからという理由だけで申請するものではありません。
まとめ
- 「要介護1なら週に何回まで」という全国共通の決まりはない。決まっているのは1か月に使える単位の枠
- 要介護1の枠は16,765単位。デイサービスだけでなく、訪問介護や福祉用具なども同じ枠から使う
- 週3回通っても、枠の半分ほどが残る計算になる。ただし加算や事業所の規模で変わる概算
- 枠より先に、事業所の空き状況や本人の状態で回数が決まることが多い。
- 枠を超えた分は全額の支払いになる。超えそうなときはケアマネジャーから事前に説明がある
- 増やしたいときは、まず理由をケアマネジャーに伝える。回数だけでなく、他のサービスとの配分を含めて組み立て方から相談する
介護保険制度や介護報酬は改正されることがあります。このページは2026年10月時点で確認できる法令・厚生労働省資料に基づいています。単位数は令和8年6月時点のもので、実際の利用回数は本人の状態やケアプラン、事業所の状況によって異なります。
情報源:居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額(平成12年厚生省告示第33号)、厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和8年6月改定箇所)、介護保険法第43条