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福祉用具はレンタルと購入のどちらがよい?|選べる4種類と比べ方

福祉用具はレンタルと購入のどちらがよい?|選べる4種類と比べ方

介護保険の福祉用具は原則レンタルで、ポータブルトイレなど一部は購入です。自由に選べるわけではありません。レンタルと購入を選べるのは、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く。カナディアン・クラッチなど)、多点杖の4種類です。この4種類は、長く使うことが見込まれるなら購入、使う期間が短いか見通せないならレンタル、というのが国や市区町村の案内の考え方ですが、一律には決まりません。本人の希望を大切にしながら、家族も一緒に考えて選びます。迷ったら、担当のケアマネジャーと福祉用具専門相談員に相談してください。要介護や要支援の認定を受けていないときは、まず要介護認定の申請からです。

レンタル、購入、選択制の3つに分かれる

介護保険の福祉用具は、用具の種類で扱いが決まっています(厚生労働省の資料、平成11年厚生省告示第93号・第94号。選べる用具は厚生労働省のページ)。

扱い 主な用具
レンタル(原則) 車いす、特殊寝台(介護ベッド)、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、移動用リフト など
レンタルと購入を選べる 固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(カナディアン・クラッチなど。松葉づえを除く)、多点杖
購入 腰掛便座(ポータブルトイレなど)、入浴補助用具(入浴用いすなど)、簡易浴槽、自動排泄処理装置の交換可能部品 など

国の資料によると、レンタルが原則なのは、体の状態や要介護度の変化、用具の機能の向上に合わせて、適切な用具に替えられるようにするためです。購入になるのは、他の人が使ったものを使うことに抵抗があるものや、使うと形や品質が変わって再利用できないものです。

手すりとスロープのレンタルは、取り付けに工事を伴わないものに限られます(告示第93号)。壁に工事をして付ける手すりは、介護保険の住宅改修の話になります。

介護ベッドや車いすは、要支援と要介護1の人は原則として対象外です。例外については介護ベッドは要介護1でも借りられる?で説明しています。

レンタルと購入を選べる4種類

2024年4月から、次の4種類はレンタルと購入のどちらかを選べるようになりました。これを選択制といいます(厚生労働省)。

  • 固定用スロープ ― 敷居などの小さい段差に使い、頻繁に持ち運ばないもの。持ち運びできる型は対象外です
  • 歩行器 ― 車輪やキャスターのないもの。付いている歩行車は対象外です
  • 単点杖 ― 腕や肘を支えるカナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホームクラッチのことです。介護保険の歩行補助つえは、これらと松葉づえ、多点杖に限られています(告示第93号)。一般的なT字の杖はこの一覧にないので、買う前にケアマネジャーに確かめてください
  • 多点杖 ― 先が分かれて複数の点で支える杖です

持ち運べるスロープ、歩行車、松葉づえは選択制の外で、レンタルです。

どう比べるか

国の資料が提案の例として挙げているのは、「長期利用が見込まれるため販売とする」「利用期間がこの段階では判断できないため貸与とする」といったものです(選択制の資料)。見るのは、これから体の状態と使い方がどう変わりそうかです。大田区も、長く使うことが見込まれる場合は購入のほうが負担を抑えられること、短く使うことが見込まれる場合は交換できるレンタルが適していることを、選ぶときの情報に挙げています。

レンタル 購入
向く場面の例 使う期間が見通せないとき、状態が変わりそうなとき 長く使うことが見込まれるとき
使い始めたあと 福祉用具専門相談員が、少なくとも6か月以内に一度、使い続ける必要があるかを確認する 事業者は、求めに応じて使用状況の確認や修理などに努めることになっている
費用の枠 毎月の限度額の中に入る 別枠で、年度10万円が原則の上限

購入後の修理やメンテナンスが無料とは限りません。費用や保証の期間は、購入の前に確かめてください。

レンタルで始めて、確認の結果を踏まえて購入に移ることも、国の資料で想定されています。

相談のときは、次のことを伝えてください。

  • どの場面で、どのくらいの期間使いそうか
  • 主治医やリハビリの専門職から、体の状態の見通しについて聞いていること
  • 毎月の介護保険の限度額に余裕があるか

金額は、レンタルの月額×使う月数の自己負担と、購入の自己負担を比べます。たとえば仮に、1割負担で月額の自己負担が200円のレンタルと、購入の自己負担が2,000円の用具なら、10か月で同じになります(金額は計算のための仮の数字です)。レンタルの費用は国が一律に決めた価格ではなく、実際にかかった費用をもとにするので、同じ用具でも事業所によって違うことがあります。ただし商品ごとに貸与価格の上限があり、全国平均の価格とあわせて厚生労働省が公表しています。

購入するときの決まり

ポータブルトイレは、選択制ではなく、はじめから購入の用具です(告示第94号の腰掛便座)。入浴用いすなどと同じです。選択制の4種類を購入する場合も、次の決まりがあります。

年度10万円の意味

上限は原則として、毎年4月から翌年3月までの1年間で、購入にかかった費用10万円です。市町村が条例で上げている場合もあります(介護保険法第44条第6項)。10万円がもらえるわけではありません。支給はその9割から7割なので、1割負担の人で9万円、2割で8万円、3割で7万円までです。超えた分は自己負担です。

船橋市は、限度額の中なら複数の物を対象にできると案内しています。ただし、同じ年度に同じ種目(用途や機能が大きく異なるものを除く)をすでに買って支給を受けていると、買い直しでも買い足しでも原則として支給されません(施行規則第70条第2項。要支援の人は第89条第2項)。破損などの事情があるときは、買う前に市区町村に確かめてください。スロープや杖は複数の購入が認められる場合があります(大田区の案内)。

申請が必要

支給を受けるには、市区町村への申請が必要です。いったん全額を払ってあとから9割から7割を受け取る方法と、はじめから自己負担分だけを払う方法があります(船橋市の案内)。使える方法は窓口で確かめてください。

どこで買うか

支給の対象は、指定を受けた事業者から買ったものです(介護保険法第44条。要支援の人は第56条)。ホームセンターなどで先に買ってしまう前に、ケアマネジャーに確かめてください。

大田区は、指定を受けた事業者であっても、福祉用具専門相談員から直接助言を受けられない通信販売での購入は対象外と案内しています。

誰に相談するか

  • 担当のケアマネジャー ― 選択制の用具では、制度の説明をし、話し合いの場をつくります
  • 福祉用具専門相談員 ― 用具の選び方や使い方の専門職です。選択制の用具では、ケアマネジャーがいないときに説明する役目もあります
  • 地域包括支援センター ― 担当のケアマネジャーがいないときの相談先です

選択制の用具は、医師や専門職の意見を踏まえてケアマネジャーや相談員などが話し合い、その提案を受けて、本人の希望を中心に家族と一緒に選びます(国の資料は、利用者などの意思決定にもとづいて選ぶとしています)。

まとめ

  1. 福祉用具は原則レンタル。ポータブルトイレなど一部は購入で、自由に選べるわけではない
  2. 選べるのは固定用スロープ、歩行器、単点杖、多点杖の4種類。歩行車、持ち運べるスロープ、松葉づえは選択制の外でレンタル。一般的なT字の杖は買う前に確かめる
  3. どちらがよいかは一律には決まらない。使う期間と状態の見通しで比べる。途中で購入に移ることも想定されている
  4. 購入は原則、年度10万円の費用が上限。1割負担なら支給は9万円まで。指定事業者から買い、申請する
  5. 本人の希望を中心に、家族と一緒に選ぶ。ケアマネジャーと福祉用具専門相談員に相談する

介護保険制度は改正されることがあります。このページは2026年11月5日時点で確認できる法令・厚生労働省資料・自治体の案内に基づいています。支払いの方法や書類は市区町村によって違うため、お住まいの市区町村の案内もあわせて確認してください。

情報源:介護保険法第8条第12項・第13項、第43条、第44条、第56条、介護保険法施行規則第70条・第89条、平成11年厚生省告示第93号、平成11年厚生省告示第94号(厚生労働省の資料に掲載)、厚生労働省「福祉用具・住宅改修」、厚生労働省「福祉用具貸与と特定福祉用具販売の選択制について」、厚生労働省 選択制の導入の資料、厚生労働省「介護保険における福祉用具」、大田区 特定福祉用具(2026年3月23日更新)、大田区 選択制の導入について(2024年8月15日更新)、船橋市 福祉用具の購入

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