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ケアマネが見つからない・断られたら?|相談先とセルフケアプラン

ケアマネが見つからない・断られたら?|相談先とセルフケアプラン

要介護認定の結果が出たのに、ケアマネジャーを頼める事業所が見つからない、問い合わせたら断られた。そんなときは、まず断られた理由を聞き、別の事業所を紹介してもらえないか相談してください。それでも見つからなければ、地域包括支援センターや市区町村の介護保険の窓口が相談先です。ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所は、正当な理由がなければ依頼を断れないと国の基準で決まっています。ケアプランを自分で作る方法もありますが、届出やサービスの調整が要るので、最初から家族だけで抱え込む必要はありません。この記事では、断ってよいとされる理由の例、断られたときにできること、要支援の場合、ケアプランを自分で作る方法とその注意点をまとめます。

事業所は正当な理由なく断れない

要介護1から5の人のケアプランを作るのは、居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員)です。この事業所の運営のルールは、国の「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)が定めています。

その第5条は、次のとおりです。

指定居宅介護支援事業者は、正当な理由なく指定居宅介護支援の提供を拒んではならない。
出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第5条

事業所の運営のルールは市区町村の条例で定めることになっていて(介護保険法第81条)、この基準はその元になるものです。第5条は、市区町村が「従うべき基準」とされています(同基準第1条)。つまり、どの市区町村でも、事業所は理由もなく依頼を断ることはできない、というのが出発点です。

断ってよいとされている理由の例

では、どんな場合なら断ってよいのか。この基準の解釈通知(平成11年7月29日 厚生省老人保健福祉局企画課長通知・老企第22号。厚生労働省の改正資料)は、正当な理由の例として次の3つを挙げています。

  • 事業所の今の職員の数では、新しい依頼に応じきれない(「当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合」)
  • 住んでいる場所が、その事業所が通常サービスを提供する地域の外にある
  • ほかの事業所にも同時に依頼していることが明らかな場合

ただし、通知の原文はこの3つのあとを「等である。」で結んでいます。理由はこの3つに限られているわけではありません。断られたときは、どんな理由なのかを聞いておくと、次の事業所を探すときの参考になります。理由の説明がない、説明に納得できないというときは、そのことも市区町村の介護保険の窓口に伝えてください。

断られたときにできること

同じ基準の第6条は、事業所が自分で対応するのが難しいと判断した場合について、次のように定めています。

他の指定居宅介護支援事業者の紹介その他の必要な措置を講じなければならない。
出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第6条

断られたときは、受けてもらえそうな別の事業所を紹介してもらえないかを、その場で頼んでみてください。

ただし、条文は「紹介その他の必要な措置」で、紹介だけに限っていません。また第6条は、第5条と違って、市区町村が条例を作るときに「参酌すべき基準」とされていて、条例によって書き方が変わる余地があります。そのため、必ず紹介してもらえるとまでは言えません。紹介が受けられなかったときは、次の窓口に相談します。

自分で事業所を探すときは、厚生労働省の介護サービス情報公表システムで、住所の近くの居宅介護支援事業所を調べられます。ケアマネジャーの探し方の全体はケアマネジャーとはで説明しています。

地域包括支援センター・市区町村に相談する

何か所かに断られた、紹介も受けられなかった、というときは、地域包括支援センターか市区町村の介護保険の窓口に相談してください。

地域包括支援センターは、市町村が設けている高齢者の総合相談の窓口です(介護保険法第115条の46)。相談できることや担当のセンターの探し方は、地域包括支援センターとはで説明しています。

ケアマネジャーが見つからないこともここで相談できます。ただし、相談すれば必ず担当が見つかる、と定めた規定は見当たりません。状況を伝えて、どの事業所に当たればよいか、ほかにどんな方法があるかを一緒に考えてもらう、という使い方になります。

相談するときは、次のことを伝えると話が早く進みます。

  • 本人の住所と要介護度(認定結果の通知や被保険者証で分かります)
  • 問い合わせた事業所と、断られた理由
  • いつまでにサービスを使い始めたいか(退院の予定日など)

引き受けてくれる事業所が決まったら、ケアプランを作る事業所を市区町村に届け出ます。西宮市や神戸市は、この届出がないと、いったん費用の全額を払ってあとから払い戻しを受ける償還払いになると案内しています。熊本市のように、ケアプランを作る事業所が届け出ると案内している市もあるので、誰が出すのかを確かめておくと安心です。一度決まったケアマネジャーと合わないときの変更の手順は、ケアマネは途中で変更できる?で説明しています。

要支援の場合

要支援1・2の人のケアプラン(介護予防サービス計画)は、居宅介護支援ではなく「介護予防支援」という別の仕組みで作ります。もともとは地域包括支援センターが担当するもので、相談先もまずセンターになります。なお、市区町村の総合事業のサービスだけを使う場合は、介護予防ケアマネジメントという別の仕組みになることがあります(介護保険法第115条の45)。

2024年4月からは、居宅介護支援事業所も、市区町村から指定を受ければ介護予防支援を行えるようになりました(介護保険法第115条の22)。どの事業所が指定を受けているかは市区町村によって違います。

介護予防支援の国の基準(平成18年厚生労働省令第37号)にも、正当な理由なく断ってはならないこと(第5条)と、対応が難しいときはほかの事業者を紹介することなど(第6条)が、居宅介護支援と同じ形で定められています。要支援1で使えるサービスは要支援1で受けられるサービスで説明しています。

ケアプランを自分で作る方法と注意点(セルフケアプラン)

ケアマネジャーに頼まずに、本人や家族がケアプランを作ることも、制度の上では想定されています。介護保険法施行規則の第64条は、自分で作った計画をあらかじめ市町村に届け出ている場合を、居宅介護サービス費を事業所が代わりに受け取れる(利用者は自己負担分だけを払う)場合の1つとして挙げています(介護保険法第41条の仕組み)。

たとえば川崎市の案内は、「居宅サービス計画(ケアプラン)をご自身で作成していただくことも可能です。」としたうえで、あらかじめ区役所の窓口に届け出ること、サービス事業者との連絡調整も自分で行うことになることを説明しています。

ケアプランを自分で作る場合は、計画を書くだけでなく、サービス事業所との連絡調整や、毎月の利用状況の管理なども家族が受け持つことになります。ケアマネジャーが見つかるまでの一時的な方法として考える場合でも、本人や家族の負担が大きくなることがあります。

求められる作業は市区町村によって違います。たとえば宇城市の手引きは、ケアプランの作成や給付管理などの一連の業務をすべて自分で行う必要があるとしていて、作る書類の一覧にはサービス担当者会議の記録やモニタリングシート、給付管理票も挙げています。

支払い方は市区町村で確かめる

施行規則の第64条では、要介護の人が、そのサービスを含む計画をあらかじめ市町村に届け出ていれば、事業所が介護サービス費を代わりに受け取り、利用者は1割から3割の自己負担分だけを払う「代理受領」の対象になります。ただし、熊本市の案内のように、自分で作る場合は償還払い(いったん利用料の全額を払い、あとから介護保険の分を請求して受け取る形)になるとしている市もあります。

届出の方法や、実際の支払い方、必要な書類は、市区町村によって違います。自分で作る前に、市区町村の介護保険の窓口で、必要な手続きと作業を確かめてください。

要支援の人が自分で介護予防サービス計画を作る場合は、施行規則第83条の9で、届け出たうえで「当該市町村が当該計画を適当と認めたとき。」という条件が付いています。また熊本市は、総合事業のサービスは自分で作った計画では使えず、全額自己負担になると注意しています。要支援の人は、特に市区町村に確かめてください。

まとめ

  1. 居宅介護支援事業所は、正当な理由なく依頼を断れない。国の基準の第5条で決まっていて、市区町村が従うべき基準とされている
  2. 断ってよい理由の例は、職員の数で応じきれない、通常の実施地域の外、ほかにも依頼している場合など。この3つに限られるわけではない
  3. 断られたら、別の事業所の紹介を頼む。紹介が受けられなければ、地域包括支援センターや市区町村に相談する
  4. 要支援の人は介護予防支援。まずは地域包括支援センターに相談する。2024年4月からは指定を受けた居宅介護支援事業所も担当できる
  5. ケアプランを自分で作る方法もあるが、届出が要る。支払い方は市区町村の案内で確かめる必要があるので、作る前に窓口に相談する

介護保険制度は改正されることがあります。このページは2026年11月2日時点で確認できる法令・厚生労働省資料・自治体の案内に基づいています。事業所の運営のルールは市区町村の条例で定められるため、細かい扱いは市区町村によって違うことがあります。

情報源:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第1条・第5条・第6条、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」(平成11年7月29日 厚生省老人保健福祉局企画課長通知・老企第22号。厚生労働省の平成27年改正の新旧対照表で確認)、指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第37号)第5条・第6条、介護保険法第41条・第81条・第115条の22・第115条の45・第115条の46、介護保険法施行規則第64条・第83条の9、川崎市「よくある質問」(2025年1月6日更新)、熊本市の案内(2026年1月29日更新)、宇城市「介護保険サービスのケアプランを自ら作成する(セルフケアプラン)場合の手引き」(2026年3月24日更新)、西宮市の案内(2025年11月4日更新)、神戸市の案内(2026年4月1日更新)

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